ご案内

私は10数名のヴォイストレーナーとともに、ヴォイストレーナーにも指導しているため、内外のヴォイストレーナーのアドバイザーやヴォイトレをしている人のセカンドオピニオンもたくさんやってきました。ヴォイストレーナー、指導者、専門家以外にも「ヴォイストレーナーの選び方」などに関する質問が多くなりました。以下を参考にしてください。

 

「ヴォイストレーナーの選び方要項」 http://www.bvt.co.jp/new/voicetrainer/

 

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カテゴリー2:ヴォイトレの論点は、こちら に移動になりました。
カテゴリー4:4.福島英レッスン録アーカイブは、こちら に移動になりました。

 

 

閑話休題 Vol.109「歌舞伎」(2)

<演目>

歌舞伎狂言 時代物(御家物、王朝物)、世話物(生世話物(きぜわもの)、散切物)

丸本物(義太夫、義太夫狂言、でんでん物)、松羽目物、純歌舞伎

活歴物、新歌舞伎、新作歌舞伎。

 

<特徴>

「世界」観 「曾我物」「景清物」「隅田川物」「義経物(判官物)」「太平記物」「忠臣蔵物」

綯交ぜ(ないまぜ)

全場面を演じる「通し狂言」、人気場面のみ「見取り(ミドリ)」

 

<演目と通称>

外題 本外題 段・場・幕

・演目そのものに通称

例:『都鳥廓白波』(みやこどり ながれの しらなみ) →『忍の惣太』(しのぶの そうた)

・特定の段に通称

例:『義経千本桜』(よしつね せんぽん ざくら)四段目「道行初音旅の場」→『吉野山』(よしのやま)、四段目切「河連法眼館の場」→『四ノ切』(しのきり)

返し(返し幕) 切

 

<演出>

後見(こうけん) 黒衣後見(くろごこうけん)、黒衣(くろご)

着付後見(きつけごうけん)もしくは袴後見 裃後見(かみしもごうけん)

波後見(なみごうけん)、雪後見(ゆきごうけん)

拍子木(ひょうしぎ) ツケ 板(ツケ板)

隈取 見得 六方(ろっぽう) 外連(けれん)

 

<役者>

名跡(みょうせき)襲名(しゅうめい) 屋号 大向こう

 

<舞台>

上手 下手 花道 本舞台 大臣囲い 黒御簾 下座 黒御簾音楽 下座音楽 床

大臣柱 鳥屋(とや) 揚幕(あげまく) すっぽん 仮花道

 

<舞台機構>

廻り舞台 明転(あかてん) 「行って来い」。迫り(せり) 地下(奈落)

定式幕 緞帳。振落し 降りかぶせ。道具幕 浪幕、山幕、網代幕、黒幕、霞幕。

 

<歌舞伎音楽>

唄物である長唄 語り物である浄瑠璃。常磐津節・清元節。大薩摩節、河東節、新内節

 

<興行>

大歌舞伎、花形歌舞伎。

歌舞伎座 東京では新橋演舞場、国立劇場、明治座、日生劇場、浅草公会堂(新春浅草歌舞伎)、大阪松竹座、南座、御園座、博多座、旧金毘羅大芝居(金丸座)、内子座、永楽館、康楽館、ほか福岡県嘉穂劇場、熊本県八千代座

 

<観劇>

各月25日間 2部制(3部制もあり) 午前の部は午前11時から午後4時ころまで、午後の部は午後4時半から9時ころまで。

 

<歌舞伎に由来する語>

・大向うを唸らす(おおむこうを うならす)

・差金(さしがね)

・黒衣(くろご)

・黒幕(くろまく)

・二枚目(にまいめ)

・幕切れ(まくぎれ)

・千両役者(せんりょうやくしゃ)

・十八番(じゅうはちばん)

「ピンハネ」:「ピン」とはポルトガル語のpinta(点)

 

<日本人はもともと、霊的なものが床下に住んでいて、ある時ヌ~ッと家の中に入り込んで来るという発想を持っています。日本人の先祖から受け継いでいる土地への信仰、そして日本人家屋の構造とあいまって生まれてくるこのような発想は、芝居の演出にも導入されます。

 

 歌舞伎では黒御簾の中で芝居のバックに音楽を入れるだけでなく、舞台上で芝居の情況を語ったり心情を歌ったりする演奏があります。長唄、三味線を含め囃子方が演奏するのを「出囃子」、浄瑠璃の太夫・三味線が演奏することを「出語り」と呼びます。ちなみに歌舞伎に用いられる音楽で「長唄」を「歌い物」と呼び、義太夫(竹本)、常磐津、清元などの浄瑠璃を「語り物」と呼んでいます。

 

 太夫は腹に「オトシ」という小豆や砂利を入れた袋をしのばせて、しかも腹帯というものを巻いてお腹の底から声を出すようにしています。

 

 何も掛声は屋号だけではありません。二人立ちで見得を切った時に「ご両人~」、三人の時は「三千両~」、他の人が「二代目~」などと声を掛ければ、自分は「日本一~」と掛けてみたり、そこの声を掛ける側のセンス、心意気がうかがえるのです>(西川浩平)

 

<能との違い>

室町時代に猿楽は「式楽」と呼ばれ、武家を後ろ盾に大成。

歌舞伎は江戸時代初期、出雲阿国。元禄時代に市川團十郎、坂田藤十郎が出る。

都市の武士と商人など大衆。能とは250年の時代差。

(エンタメとしての歌舞伎)ワンピース・Naruto・初音ミク 現代の歌舞伎は「超歌舞伎」へ 漫画を原作とした歌舞伎の上演

 

参考:Wikipedia/「歌舞伎音楽を知る」西川浩平(ヤマハミュージックメディア)

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.34

〇ステージ活動へ(音にのせて歌い、表現する)

 

 ライブ・ステージ実習という実践的なレッスンをしています。3ヵ月に1回行なっています。1曲に半年くらいは費やして、充分にトレーニングして欲しいものです。何曲、歌えるかよりも、1曲をいかに深く歌うかということが先にあるべきだからです。

 それとともに選曲からライブの終了後まで、ライブそのものを目的とするのでなく、自分の力をいかに最高に発揮できるようにコンディションを整え、本番前までのトレーニングやリハーサルで、何をどう学んだか、それが本番ではどう出たのかをしっかりと反省する契機としての役割もあります。

 お客さんの前ですから、視線や態度からはじまって演出面、舞台や歌での計算なども必要となってきます。伴奏者とのコラボレーションも含め、日頃からの取り組みがトータルに問われる場なのです。

 

〇ステージ・マナーを身につけよう

 

 ステージでは、視線を観客に合わせることです。やや後方のまんなかの人を見るとよいでしょう。きょろきょろしたり、たくさんまばたきするのは、やめましょう。

 観客の視線は、恐いほどステージ上のあなたの一挙一動に注がれているものです。意味のない動きは、すべて目立ってしまいます。コードを持ったり、マイクを持つ位置を頻繁に変えたり、マイクを持っていない手をやたらに動かしてはいけません。イントロ、間奏の間もいつも何をやっているのかが伝わるようでなくてはいけません。間奏なのにマイクを口の前においたままでは、歌詞を忘れたのかと思われてしまいます。

 撮ってチェックするのが一番よいでしょう。慣れぬ動きをするくらいなら、あまり動かないで歌に専念した方がよいのです。ステージで動きたければ、日頃から動けるように練習しておきましょう。

 歌うまでに半分以上は顔つきや姿勢で実力を読まれていると思ってください。つまり、ステージの袖から出てくるときの足取りや、曲を待つ間、MCも含めて、すべて自分で演出します。自分が今、どのようにお客さんに見えていて、どう思われているのかという状況を常に意識して、直ちに次の動きを作り出すことです。

 それには、なによりもよいステージをたくさん見ることです。そして、よいところを必ず真似てみることです。ライブのビデオを見ながらでもよいでしょう。急に本番でやろうとしても無理です。友人に注意してもらったり、ビデオによるチェックをしてみてください。

 歌い終わった後は、ニッコリとすること、おじぎをすること、ゆったりと誇らしげに袖に引っ込むことを心がけてください。人前に出ている間は絶対に気を抜けないのです。失敗しても、うまくいかなくても、そんな素振りは見せないことです。いそいそと慣れぬ足取りで引っ込んだりしては、台なしです。

 

〇自信をもって全力投球を

 

 だらだらと歌っているだけでは、誰も魅きつけられません。歌詞とメロディを自分なりに徹底的に理解した上で、ノリを出し、押すところは押し、引くところは引いて抑揚をつけて歌うことです。調子がよかろうが悪かろうが、常に後にひけない芸人根性でやり通すことです。絶対に逃げてはなりません。

 気分的に落ち込んでいても、スランプでも、そんなことは観客にはみえなければよいことなのです。常に全力を尽くすことです。これを怠ると、何のためにやるステージかわかりません。ヴォーカリストは孤独なボクサーみたいなものです。

 そのためには、絶対の自信をもってやること、これしかありません。自分が世界一、歌がうまいと思ってください。そう思って努めることがわざわざ足を運んで見に来てくれた観客へのマナーなのです。

 「この曲は自信ないのですが…」「調子がイマイチなのですが…」そういう言い訳をしないことです。常に勝負するのです。

 観客に甘え、観客がそれを許すようなステージからは、何も生まれてきません。足を踏みならされ、どやされ、ブーイングがきて、拍手も来ない。楽屋でもメチャメチャに言われるのなら、ありがたいと思うべきなのです。そこで、奮起して何くそと思った方が、結果として上達するのですから。

 常に、今よりも明日に向かって、しかし、今に全力投球して、足らないものを補っていくようにしてください。

 

〇テンションをハイに保ち、お客を飲み込め

 

 ステージでは、自分が全世界の支配者だと思ってやることです。左手を動かせば世界の半分が、右手を動かせば残りの半分が動くと思ってやることです。

 どうしてその人が歌おうと思ったのか、そして歌っているのか見ていてわけがわからないステージほど、つまらないものはありません。そういう人は歌っている最中も、歌い終わった後も、印象が薄く記憶に残りません。存在感がないからです。存在感は、ヴォーカリスト、人前で何かをする人には、一番、大切なものなのです。

 ステージは、今まで自分たちのやってきたことのすべてを出し切るところです。考えていること、思っていること、伝えたいこと、そして、言葉で表せない情動を思いっきりぶつけて観客に問うところです。うまいとかへたとかいうまえに、ヴォーカリストの熱意や情熱が伝わらなくてはなりません。

 そのためには、原則的には明るく、ノリまくってやることです。観客をノセて、楽しませて帰ってもらうのがヴォーカリストのサービスです。

 自分たち仲間うちのバンドだけのノリだけでよいなら、スタジオで演奏していれば充分です。お客はビートのきいた音に、歌声に、演奏に酔いたくて来るのです。すべての人を自分のふところに抱き込むようにしましょう。観客が多かろうが少なかろうが、のみ込まなくてはいけません。

 そういうことに慣れるために、日頃から、客席が空っぽでもよいから、大きな会場のステージのまんなかに立ってみるとよいでしょう。だんだん慣れてきます。本当に恐いのは大きな会場よりも、観客の顔がすべて見える小さなステージなのです。お客の少ない小さなステージを大切にしてください。

 

〇ステージのためのヴォイストレーニングとは

 

 ステージでは自分たちの演奏に集中し、歌では歌うことに専念します。そのために、ヴォイストレーニングという時間を別にとって、声に全神経を傾けるのです。ステージや歌のときに声を考えなくてもすむようにヴォイストレーニングがあるのです。もちろん、ヴォイストレーニングをするから声がパワーアップして、うまく使いこなせるようになり、歌やステージがよりよくなるのです。

 ステージでは、ヴォイストレーニングの発声に歌を合わせるのではありません。それでは本末転倒です。自由に歌ったりシャウトしたときに身体から声と息が離れずについていれば、ヴォイストレーニングはそこで、充分に生かされているのです。歌で思い描いた通りの表現をするのに、必要な力をつけるのがヴォーカルトレーニングの役割だからです。

 

〇ヴォイストレーニングは、ステージやレコーディングにも大切

 

 レコーディングで最も大変なのが歌入れです。歌詞、音程、メリハリ、声質、ノリ、リズムとすべてをチェックしなくてはいけません。

 その日のうちに終わらせるつもりでスタンバイして、通常は通して34回歌います。最近は、その録音からよい部分を選び、悪い部分をリテイクして1曲を作り上げることが多いようです。

 どうしても調子が出ないときには、何度もやり直すことになります。最悪の場合は、翌日の録り直しとなりますが、手間も経費もかさみます。プロモーションの期間も必要なので、何週間も待つわけにはいきません。こういうときに、いつでも自分の実力を最高に発揮するためのヴォイストレーニングのありがたさがよくわかります。

 ステージにおいても体調がどうあれ、キャンセルはできません。出番前に声の出やすい状態にもっていくこと、休憩中に喉の疲れを取り、次の日に悪い影響が残らないようにすることは、大変に重要なことなのです。プロとなったら、なおさらヴォイストレーニングは大切となります。より高い目標へ向かうのと同時に、ハードなスケジュールの中で、できる限り最高の歌を歌うためにヴォイストレーニングは欠かせません。

 

〇録って聞いてみること

 

 自分の歌を録って、何度も聞き返しましょう。自分がどのような声を出したとき、他の人にどのような感情を生じさせるかがわかれば、大したものです。すぐれたヴォーカリストは、すぐれた聞き手なのです。

 自分が歌っているときは、内耳から、より大きな声が聴覚に入りますから、客観的な声の判断はできません。他の誰にも聞こえない声を聞いているのです。これを第三者と同じように聞くには、マイクでスピーカーから出力させる方法と、録音再生して聞く方法があります。ともにバンドなどをつけずに、アカペラでやってみることをお薦めします。

 最初のうちは、バンドの音量が大きいと、どうしても必要以上の声を出して乱れることが多いのです。ですから、バンドだけのカラオケを作ることも薦めます。譜面の読めない人は、ピアノ・ソロのメロディ・カラオケを作ってもらうとよいでしょう。

 自分の声というのは、慣れてくると妙にエコひいきしてしまって、よいところばかりを見つけたくなります。そのため、音程、リズム、発音などの基本的な点で甘くなってしまう人が多いようです。こういうところは、厳しいチェックをして直していかないといけません。

 間をあけて聞くと、自分の欠点が客観的に見えてきます。よいステージを見て、自分の音楽の勉強を積み重ねておくことによって、客観的に評価できる力と、一段上のレベルでの音楽の捉え方ができるようになります。

 

「最強トレーニング」 Vol.14

〇さまざまな音をつくる子音(1)カ行(ガ行)

 

声を出すときに、声を発するところや声を妨げるところ、その位置ややり方が変わると音も変わります。そこで生じた音を子音といいます。

 

日本語の場合は、子音は母音につく形(原則として1子音+1母音)です。柔軟かつすばやく出すことが求められます。母音が流れをつくり出すのに対し、子音はそれを妨げ発します。

K、TFなどは、声帯を震わさずに、喉、舌、唇によって発音されます(これを無声音といいます)。

L、MNRZVWなどは、声帯の振動を伴います(これを有声音といいます)。

日本語の欠点は、口の中で平たく浅い声になってしまい、外にひびいていかないことです。それを欧米の言語のように口の中を縦に広く、響きも胸と鼻の線を結ぶ<縦のイメージ>で出すことがポイントです。欧米の発声と同じように日本語もしっかりと伝えられるようにしていきたいものです。

 

日本語では子音母音の区別がないため、スーツ(Suit)、スーパー(Super)のす(Su)とスクール(School)、スケート(Skate)のS(子音のみ)を同じ発音「ス」で認識しています。

それを、耳での感覚による認識をより鋭くすることで解決していきます。日本語の音声言語教育の必要性は大いにあるのですが、今のところ、外国語学習(聴音と発音)によって代用されているといってもよいでしょう。

 

K 舌の中央を山型に軟口蓋につけ、息を止めてこれを離すことで発音します。「か」は、舌根の奥で行なっているため、次にくる母音が不明瞭になりがちです(Gにも同じことがいえます)。

N 日本語「ん」とは違います。歯茎の軟口蓋に舌の先がついて、瞬間的に鼻に抜けます。

V、FW 下唇の裏と上の前歯で摩擦して発音します。

Z 歯の間ではなく、舌を歯の間で出します。

 

□カ行の発音

EX.「こんにちは」 「こんばんは」

 

〇カ行音……カ[ka] キ[ki] ク[ku] ケ[ke] コ[ko

 

日本語で最も語数が多いのが、カ行、ガ行で始まることばです。

カ行の子音[k]は、奥舌と軟口蓋でつくる破裂音です。奥舌を軟口蓋につけて息の出口をふさぎ、息をはき出すとき、この閉じた部分をつき破ることによって発します。

 「アカアカ」をくり返してみましょう。鏡でみると、喉の奥(軟口蓋)の口蓋垂に舌が盛り上がります。「カ」「ク」「ケ」「コ」はこうして発音されます。

 

<キとカクケコの違い>

「カキカキ」といいながら、鏡で喉をみてください。

軟口蓋は「カ」でみえるのに、「キ」ではよくみえません。舌の手前が盛り上がるからです。キ[ki]は、「イ」の発音につられて、舌の接点が他のカ行音よりも前で硬口蓋になります。これを口蓋化といいます。口蓋化は、他の行にも出てきます。(調音点は、前方から、キ→ク、ケ→カ→コの順です。また、キ、クは、無声化することがあります。)

 

〇ガ行と鼻濁音について

 

・ガ行音……ガ[ga] ギ[gi] グ[gu] ゲ[ge] ゴ[go

[g]は、[k]と同じに発する子音です。[k]が無声音、[g]は有声子音です。[g]は強い破裂音で、強く発音すると耳ざわりです。「ガ」「グ」「ゲ」「ゴ」に対して、「ギ」は口蓋化します。

 このガ行音は、呼気を鼻へぬく鼻濁音になることがあります。

 

〇ガ行が鼻濁音になる場合

 

助詞のガ  EX.山カ゜(゜は鼻濁音化を示す)

もとはカ行のものが複合語になって濁ったもの  EX.株式会社

数字でも固有名詞化したもの  EX. 十五夜、大五郎

 

〇ガ行が鼻濁音にならない場合

 

1シラブルにくるガ  EX.学校

複合語  EX. 専門学校

外来語  EX.スィンガー

擬音    EX.ガンガン

数字    EX5(ゴ)

 

  • 〈カ行のトレーニング〉

(カ)固まった価値観を変えろ/階段の壁にかかった消化器

(キ)今日のキリンの気持ち/地球の危機きっと来てる

(ク)空想の中の百済の国/熊本の空港にくる

(ケ)過去の経験にけりをつける/やけ酒のわけ

(コ)苔むした小石の小径/行楽地で孤独な子供

 

「しぜん、身体、声、現実」 No.416 

現実の感覚は消してはならないのに、

しぜんを人間の意識が排除して、

世界は、都市化、そしてバーチャル化していったのです。

 

人がいないところ、見ないところは、

人にとっては、本来、存在しないのです。

少なくとも、その人にとっては、存在しません。

脳が、自分の世界を決めているからです。

 

頭は、自分の先を予測をして、それを実現するように

コントロールしていきます。

これが、自己制御、自己管理です。

 

身体は表現、その人の証明です。

だから、人は、声であいさつして、

握手して、確認したいのです。

 

今の医者は、検査の結果データで診ています。

画像と数字だけで判断するのです。

そこには、しぜんのままの身体は出ていません。

 

道から型へ

こうすれば、こうなるというのは、進歩です、頭です。

そのはずが、そうはならないのが、現実の世界です、身体です。

閑話休題 Vol.108「歌舞伎」(1)

2009年9月に無形文化遺産

「傾く」(かぶく)の名詞「かぶき」。戦国時代末から江戸時代の初頭、京で流行。「かぶき者」の「かぶき踊り」が慶長年間(1596 - 1615年)。「歌舞する女」で「歌舞姫」、「歌舞妃」、「歌舞妓」。

江戸時代「歌舞伎」は俗称、公けには「狂言」「狂言芝居」

「かぶき踊り」(かぶきをどり)(1603年)「出雲阿国」(いずものおくに)rf.「ややこ踊り」 

遊女歌舞伎が全国へ。三味線の使用。

若衆歌舞伎(わかしゅかぶき)三都市のみ。「音羽屋」「成駒屋」などと屋号 陰間茶屋の屋号の名残。

 

元禄歌舞伎。荒事芸の市川團十郎(初代)。 

「やつし事」の坂田藤十郎(初代)、和事の祖。

狂言作者の近松門左衛門の『国性爺合戦』など時代物が人気。『曽根崎心中』などの世話物。

1680年頃 7つの役柄、立役、女方(若女方)、若衆方、親仁方(おやじがた、善の立場の老人)、敵役、花車方(かしゃがた、年女)、道外方(どうけがた)

江戸幕府の禁令。江戸の芝居小屋 中村座・市村座・森田座・山村座の四座(江戸四座)。

正徳4年(1714年)江島生島事件で山村座の取り潰しにより三座(江戸三座)。

享保3年(1718年)、歌舞伎の舞台に屋根 宙乗りや暗闇 花道 廻り舞台(日本の木造建築)

趣向取り・狂言取り 人形浄瑠璃からも行われ義太夫狂言となる。

1731年には瀬川菊之丞 (初代)『無間の鐘新道成寺』 

延享年間には三大歌舞伎『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』『仮名手本忠臣蔵』

1753年『京鹿子娘道成寺』江戸。

1759年、並木正三が『大坂神事揃』(おおさかまつりぞろえ)で「愛想尽かし」を確立。

文化文政時代、四代目鶴屋南北『東海道四谷怪談』(四谷怪談)、『於染久松色読販』(お染の七役)生世話の確立。

天保3 (1832)には七代目市川團十郎が歌舞伎十八番の原型「歌舞妓狂言組十八番」

幕末から明治の初め、二代目河竹新七(黙阿弥)『小袖曾我薊色縫』(十六夜清心)、『三人吉三廓初買』(三人吉三)、『青砥稿花紅彩画』(白浪五人男)、『梅雨小袖昔八丈』(髪結新三)、『天衣紛上野初花』(河内山)など。

明治になると新時代の世相を取り入れた演目(散切物、ざんぎりもの)。

明治19年(1886年)演劇改良会が設立。天覧歌舞伎。

活歴物 九代目市川團十郎 七五調の美文、厚化粧、定型の動きを拒否。「腹芸」「目と顔」による表現。

明治22年(1889年)歌舞伎座設立。九代目市川團十郎、五代目尾上菊五郎、初代市川左團次らの名優「團菊左」。江戸三座は、歌舞伎座設立時に千歳座(のちの明治座)と組んで歌舞伎座に対抗(四座同盟)。大正時代、市村座で六代目尾上菊五郎と初代中村吉右衛門が菊吉時代・二長町時代(~1932年)。

新歌舞伎 松井松葉の『悪源太』(1899年)や坪内逍遥の『桐一葉』(1904年)「黄金時代」明治後期から大正 東京歌舞伎。岡本綺堂の『修善寺物語』『鳥辺山心中』、真山青果の『元禄忠臣蔵』十部作など。

二代目市川猿之助の春秋座結成、昭和6年(1931年)には四代目河原崎長十郎、三代目中村翫右衛門、六代目河原崎國太郎らによる前進座設立。

 

昭和37年(1962年)の十一代目市川團十郎襲名 六代目中村歌右衛門、二代目尾上松緑、二代目中村鴈治郎、十七代目中村勘三郎、七代目尾上梅幸、八代目松本幸四郎、十三代目片岡仁左衛門、十七代目市村羽左衛門。

昭和40年(1965年) 重要無形文化財に指定、国立劇場が開場。

三代目市川猿之助 スーパー歌舞伎。

2000年代、十八代目中村勘三郎のコクーン歌舞伎、平成中村座、四代目坂田藤十郎などによる関西歌舞伎の復興。

1953年(昭和28年)21日、NHKテレビジョンの放送開始 テレビ初の番組が歌舞伎。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.33

〇ア・カペラで歌い、声と歌をチェックする

 

 ヴォイス検定(V検)とは、課題曲と自由曲をアカペラで歌い、表現力を試すとともに、仲間と競い、私がその後、評します。それをもとに、VTRで自分のをみて、反省します。課題曲の題材は、いろいろと変えています。

 声だけのチェックをすることもあります。最初の1カ月は、せりふだけでチェックしています。

 これでは、他の人の歌や私のコメントを聞いて、自分の基準や耳を作るのに大きな役割を果たしています。日本で数少ない、世界のヴォーカリスト・レベルで、厳しく歌を評価する場だと思っています。つまり、ここで皆に認められたら、世界に出ていける力があるということです。そういう基準を知ることが大切なのです。

 実際のコメントを例として掲げておきますので、こういう観点でチェックをするという参考にしてください。

 

<課題曲1>「赤とんぼ」

 この歌は、同じペースで4番まで続いていますから、それをどのように構成するかが難しいのです。ぴったりと言葉をはめていかないといけません。決まった型をくずすときには、余程気をつけないと逆効果です。いろんな試みをしてみましょう。原曲を越えることができないのなら、最終的に原曲に戻さざるを得ないでしょう。さまざまな試みから得られたニュアンスを何とか歌に還元できるのであれば、表現されるものがかなり違ってくると思います。楽譜は同じでも感じ方が違ってくると、表現の中で変化が表われてきます。きちんと言葉や音をはめた上で、どこまで展開できるかということです。

 音階は、四七抜き(ファとシがない)音階という日本の旋律に日本語がついています。朗々とした発声で歌うのは無理があるでしょう。童謡や唱歌の歌いかたで、普通の人が歌ったら退屈してしまうでしょう。そこで、どういう表現をすればよいのかということが問われます。

 これは、言葉がきまらないと、ダメになる歌です。特に語尾の、とんぼの「ぼ」、「いつのひか」の「か」などは、特に大切です。メロディの美しい歌ですから、構成がきちんと出たかどうかの勝負と思います。表面をなでるように歌うのは、小学生の合唱団でもできます。それとの違いをどう出すかというのが課題です。

 言葉で考えるよりも、この情景を絵で描いてみましょう。風景が見えてきたら、演じてみるのです。手や表情も自然と動いてきませんか。そういう過程をふんでいくと、歌が立体的になります。

 一番大切なところは、このメロディから何を感じて、どう伝えるかという部分です。自分の世界の中に持ちこんで歌をつかむこと、そして、その型をいぶし銀みたいに磨いていかないと、評価されるものにはならないでしょう。単にきれいな声で歌ってきたら、きれいな世界が表われるわけではないです。いろんな解釈もあります。しかし、今だからできる新しい表現を出してみてください。

 

 表現に関しては精一杯、作る、その試みはトレーニングでやりつくし、歌うときには計算し、作っていかないことです。その人が自分で考えた試みは評価しますが、その試みをきちんと煮詰めて消化してきたかとなると、そう、うまくはいかないものです。厳しいステージでは、それが通じるかどうかははっきりとわかります。

 

<課題曲2>「卒業写真」

 息が自然と流れで出ているところから、あまり外れない方がよいでしょう。大きな流れでつかむことができて、それを表現に合わせて広げていくと、フレーズが表われてきます。声の流れと息の流れの循環が一致していることが大切です。高いキーになると一致しにくくなります。そこで、トレーニングが必要なのです。高くとも、強くとも、長くとも、統一できる力が問われます。

 リズムと言葉と感情表現は、どれから入っても構いません。この曲のようにパターン化しやすいものは、心地よく流れに乗せて、心地よく裏切ることです。楽譜を読み込めば、作曲者の意図するところがわかります。

 日本人は、とかく音程(高低)の差でフレーズをとる傾向があります。しかし、強弱や長短、延ばす、短くする、つめるというなかでとらないと、伸びてしまいます。波のように、1つの揺らぎのなかでしか、声は人間の心のなかに入ってきません。つっぱっても、押しても、それだけでは通せません。正しい発声の上に搖れていなくてはいけないのです。感情に関しては、声、身体、気の3つの力で表わしてください。ひとことで、表情をいくつでも変えられるくらい密に勉強してください。声の足りないところを、表情で補うこともできるはずです。

 

〇楽譜の読み込み

 

 全曲を通して、「悲しいことがあると」のリズムが身体のなかに流れていないといけません。自分でリズムをとったために、外しては仕方ありません。単純なメロディを、基本的なリズムを踏まえたうえで、発展させていくことです。

 曲の構成としては、「やさしい目をしてる」の前まで、「そのままだったから」まで、サビの「私を」まで、「~私を叱って」の4部構成とします。

 言葉でたたみかけたいところというのは早い音符になっています。例えば「あの人はやさしい目をしてる」。この「目」を「めぇ」と歌わないこと。「あの人は」の16分音符から、「やさしい」の8分音符になるところで、「やさしい」は、テヌート気味に保って歌えということなのです。

 言葉とメロディと両方で解釈していきます。「街で見かけたとき」、これは風景です。そこから心情、内面に入ります。「なにも言えなかった」、この部分をていねいに語りましょう。流していっただけでは、次に行けません。

 「卒業写真の面影はそのままだったから」で、「やさしい目をしてる」と同じフレーズになって、サビに入ることを予感させます。「人混みに流されて」もそうです。「行く私を」で、タンタタ、タンタタ、タンタタのリズムが大きくなっていきます。「ときどき遠くで」で、タンタタ、タンタタ、「叱って」で、タタンと頭が16分音符になっています。「叱って」のところが、言葉、メロディともにキー・ポイントであることがわかります。ここを、声を張り上げて歌ってはぶち壊しです。

 「人混みに流されて、変わっていく私を」はサビですから、感情が完全にフレーズと一致していき、聞かせどころとなります。ここで、身体の強さや声のコントロール力、声を1つにまとめてきちんと出すということが求められます。ここは勝負どころです。

 この歌は、歌い方によっては、大きなスケールになる歌です。いったん大きなスケールにしてから、楽譜に戻していってください。あなたがこの歌を通じて1番伝えたいものはなんでしょうか。一度、歌詞もメロディも全部壊してよいですから、自由に歌って、何かを伝えるのです。その伝えた部分を残しつつ、元の楽譜に戻っていきます。これは、練習の過程でくんでいかなければならない作業です。そうでなければ、単にこの歌が歌われただけということになってしまいます。誰が、どう歌ったのかが大切なのです。自分の歌になるかどうかということが、そこで決まります。つまり、楽譜に書かれていないところをどうするかということです。伝えるために歌うのです。歌うだけなら、難しい歌はありません。自分なりに解釈してもう一度歌いきってみてください。

 身体ができてくると、声が自由になります。声が自由になると、言葉になり、音楽になります。歌に熟する時間を大切にしてください。あまり急いで形だけ作ってしまわないように。力を抜いてうまく歌おうとしたら、それなりに歌えるでしょう。それとは逆に、表現は身体の方に常にキチンと引きつけておくことです。

「最強トレーニング」 Vol.13

〇あまり大きく口を開閉しないこと

 

日本人の発音練習は、きれいな(美しくひびく)日本語を使おうと、口の形の練習ばかりをやっているかのように思われます。(若い女性のナレーター、アイドルやファーストフードの店員、大企業の受付、プロの電話交換の声などを思い浮かべてください。)

 しかし本当は、身体からしっかりと息を流し、胸の深いところで声としてしっかりととらえ、充分に共鳴させた上で発音した方が、よいのです。身体を使う分、喉は楽になります。

へたな合唱団のように口ばかりパクパクして、本当の声が身体から出てこないようでは困ります。11音、大きく口を開閉するのは不自然な上に、息の流れが一定でなくなり、流暢に聞こえにくくなります。

 現場で即戦力を求める場合、こういう形になるのは、やむをえないかもしれません。ビジュアル(口の形)でも、伝わる分、口の形を整えるのは、有利であったからです。

 しかし、ここでは、声としてしっかり出した上で、音として調整するようにしましょう。

 口をはっきりとあけることは、最終段階でよいのです。口の形からやる人も多いのですが、母音というのは唇や口に直接関係していないことを知っておいてください。

 

〇日本語のアイウエオは一時、使わなくてよい

 

日本語では声が浅く、どうしても無理が生じて聞こえます。たとえば、「ウ」の発音は軽く口を閉じ喉をならすものですが、こうすると息がもれやすく身体からのしっかりとした声になりにくいのです。日本語の口の形通りに発音すると、ア、イやエも、ずいぶんと薄っぺらい声になります。

外国人が日本語で歌ったものは、とてもきれいに音が響いています。これは、「U」でOに近いところで、喉も口のなかも開いたまま発声するからです。私や役者が話すときは、この深い母音AIUEOを使っているのです。

 

〇インターナショナルな発音は、発声から

 

インターナショナルな発声の練習をします。これは、いままでの日本語の音声トレーニングと異なります。でも、20年以上使い慣れ聞いてきた日本語のくせがそう簡単にとれるわけではありません。特に、日本語での発音をもとに外国語の発音をつくろうとする無理からきます。

そこで私は、外国語の発音以前の発声まで立ち戻り、そこからの深い音を借用させています。つまり、どうせ勉強するなら何語でもOKという調音以前の発声を身につけようということです。しっかりした発声でなくては発音もうまくいかないからです。

 

※発音は聞きとる力によって大きく異なります。母音を浅く捉えた日本語と日本人の生活は、日本人を国際的に強い音声言語の使い手にはしませんでした。

 

〇発声から発音へ

 

 日本語のアエイオウを、AEIOUとおきかえて、英語で説明します。ただし、英語のAは口内が狭くなりがちなので注意してください。

A……GARDEN(ガーデン) 口を大きくあけ、舌を平らにして明るく。薄っぺらな声にならないように

E……EVER(エバー) Iより口を大きく。多くの息を使う

I……CHEESE(チーズ) 唇がほどよく開き、明るく広く

O……FOR(フォー) 舌を平らにする

U……FOOL(フール) 唇をあまり前につき出さず、鼻音にもならないように気をつける

 ついでに、もう3つ、発音を学びましょう。

ユ( Ü)(ウムラウト)……ウの口形でイを発音(英語になく、ドイツ語・フランス語) [※ウムラウト・・・後続母音の影響による母音変異]

アー(ER)……HER、口を中くらいにあけて、やや唇をつき出す

ア(A)……HAT、大きな口で明るくはっきりと出す

 

〇外国語の発音もよくなる

 

 AEIOUを、最初の段階では、「A」と「E」の間の音、「E」と「I」の間の音など、それぞれの中間音を出してみるのもよいでしょう。ここでは、響きと声をコントロールする方法をおぼえることに意味があるからです。あいまいな音をうまく出せることも、インターナショナルなレベルでの発声・発音に対応していくためには大切なことです。

もちろん、ここでいう、あいまいとは、言語(発音)不明瞭ということではありません。日本語のアイウエオではないだけで、はっきりした音ということです。

 

AEIOUアエイオウ、母音のチェック

 

A」「E」「I」「O」「U」で同じ音色にとることをチェックしてください。

□喉が開いている

□声がしっかり胸についている

□お腹をしっかりとつかって支えている

□語の響きが均一である

5音とも、身体の使い方、息の使い方がそろっている

□息が詰まっていない、きちんと流れている

□舌に力が入っていない、平らになっている

□呼吸の準備をしてから発声している(ため、構えがある)

□あごが出ていない

 

〇ことばの基本は5つの母音

 

母音とは、声帯で発せられた声が、共鳴器官を通って鼻や口から外へ出るまでの間、妨げられずに出たものです。

日本語では、ア行音 あ[] い[] う[] え[] お[] にあたります。

 

〇母音の発音

 

EX.「ありがとうございます」 「お先にいただきます」

 

母音は、舌の位置、口の開き方の三点で、発音が変わります。

 

[あ]自然な口の構えで、あごを大きく開きます。上下の唇の間に、指二本が縦になんとか入るぐらいが、「あ」の最大の口の開きです。舌はあごと一緒に下げて、唇はまるめません。

 

[え]「あ」から、あごを閉じてきて、舌の位置を「あ」のときより前にもち上げます。唇は、両端をやや左右に引く感じです。

 

[い]「え」からあごを閉じてきて、ほとんど開かない状態にします。舌は、上歯ぐきの上の硬口蓋へ向けて、ジーと摩擦音が起こる手前まで高く上げます。唇は、平たくわずかに開けます。

 

[お]「う」の場合より、あごを開き、上下の唇の間に、人指し指一本がたてに入るぐらいの大きさにする。舌は「う」のときよりやや奥へ引き込み、「あ」の場合より奥舌がうしろへ持ち上げられます。唇は五つの母音の中で、一番丸くします。

 

[う]「い」に近いのですが、あごの開きは、五つの母音の中で最も小さくなります。舌先を奥のほうへ引っ込め、舌のつけ根に近い部分をやや緊張させてもり上げる感じです。唇は「い」より両端を左右から中央へ引き寄せます。(日本語の「う」は、完全にまるめるのではなく、外見上は平らな感じ。唇は丸くなりません。)

 

〇声からことばに

 

 声が使われ始めたときに、ことばはまだありませんでした。

最初に使った声は、動物と同じく痛みや恐れを表したり、敵を威嚇するもの、悲鳴に近いものなどだったと思われます。

日本語では5音しか認識しない母音も、国が違えば異なる音が多くあります。かつては、日本語のなかにも今と違う発音がたくさんあったのです。アイウエオは、後々に日本語のことばとして(とくに書くために)定められたものです。

 

基本を旨とするトレーニングでは、原始的な音のエネルギーにまで戻ってそのパワーを吸収していきたいものです。

結果として、発音、ことばとして聞こえるようにそろえることができればよいのです。

声が出てからことばになっていったのですから、まずは声が出ることにこだわって、チェックをしていきましょう。その後にことばとして使えるようにしていきましょう。

 

  • 母音の発声トレーニング

「ア」 アーいい天気だ

「エ」 エーそうだったんですか

「イ」 イーッだ イッヤッダッ

「オ」 オー ワンダフル

「ウ」 ウー マンボッ

 

〇母音の発声で特に注意すること

 

□「あ」……舌の力が抜けているか

□「え」……口が狭すぎて「い」に近くなっていないか(このときは、唇を少し横にひく)

□「い」……「え」とか「あ」に近くなっていないか

□「お」……口の開きすぎで「あ」に近くなっていないか、唇を使いすぎて「う」に近くなっていないか

□「う」……「¨」(ウムラウト)になっていないか 

 

 指や鉛筆をくわえて、口の形をまったく動かさず、唇と舌で5つの母音を発してみるとよいでしょう。

 母音そのもののもつ音質(フォルマント)は、口に到達する前につくられています。そのため、口を動かさないで、5音とも発声できます。母音は声を出した瞬間につくられるのです。ですから、口先に頼って発音せず、腹話術のように口の奥で声にするイメージをもつとよいでしょう。

 唇には力を入れすぎてはなりません。少し緊張させて声をしっかりと前に出すように習慣づけてください。きちんと発されていたら、声は結果として前に飛びます。

 舌は、前歯の歯ぐきのうしろです。そこに自然に軽くつけておきます。舌根(舌の根元の方)に力が入るとよくありません。舌を平らにするように注意してください。あごと舌を楽にすれば自然とそうなります。

 すべてのことばをはっきりと発音しすぎることによって、流暢な流れ、ことばの抑揚を打ち消してしまう人もいます。これは、ことばを口先ではなく、口の形をあまり変えずに、はっきりと響きで伝えられるようにすることによって解決できます。

 私が深い声を重視するのは、発音面で区分けすればよいアナウンサーならともかく、この問題を解決せずには、魅力のある声が出せないからです。

ことばをはっきりさせるための発音練習は必要ですが、それと声で、自分の意志や感情を伝えることは別問題です。相手に伝わり、相手の心を動かすだけの表現がのる声が、まずは大切であることを忘れないで下さい。

 

  • 母音のトレーニング

<ア行のトレーニング>

(ア)あした、あさって、しあさって/秋、愛は熱く燃える

(イ)イライラしている猪/一途なる意志とイマジネーション

(ウ)うれしい噂は嘘だった/ウカウカしていると運が逃げる

(エ)偉い絵師が選んだ絵/エネルギュッシュな演技に詠嘆

(オ)お母さんの大きなおなか/お金を落として怒る人

「声のトレーニングの極意」 No.415

私たちの人生は、絶えず流れる時間のなかにあります。

誰もが、生まれ、成長し、老い、やがて消えていくという有限の運命を背負っています。

だからこそ、人は「永遠」に憧れます。

しかし、永遠とは、本当に果てしない時間の彼方にあるものなのでしょうか。

 

 永遠は限られた時間の中の「至高の一瞬」に、すでに現れているとも思えます。

 ニーチェは「永劫回帰」で、同じ瞬間を永遠に繰り返すとしたら、それを肯定できるかと問いました。その瞬間を心から受け入れられるなら、それは永遠と一つになる体験だといえます。

 東洋思想では、禅の「一瞬即永遠」、つまり、「いま、ここ」を真剣に生きることで永遠が開かれると説きます。茶道の「一期一会」の心は、その象徴です。

 

 音楽や文学の世界でも、一瞬の表現が時間を超えて人の心に残ります。

音は消えても、感動は永遠に響くのです。

 

 私たちの日常にも、好きな人の笑顔や自然の美しさに触れるひとときなど、永遠を感じる瞬間があります。そのような体験では、時間の流れを忘れるでしょう。

ただ「いま」に生きている自分を感じるものです。

 

 永遠は遠い未来にあるものではなく、私たちの「いま、この瞬間」に宿っています。

それを限られた時間を全身で味わうことができたとき、至高の一瞬は永遠へと変わります。

永遠を探し求めるのではなく、目の前の瞬間を大切に生きることです。

それこそが、永遠を生きるということなのです。

閑話休題 Vol.107「日本画」

日本画

 

広義には大和(やまと)絵(倭絵)、唐絵(からえ)、水墨画、南画、洋風画をはじめ、浮世絵などの風俗画、狭義には、大和絵と唐絵の交流で生まれた狩野派や、江戸時代中期以降に発展した円山(まるやま)派、明治以降流行した大和絵風な平面的で装飾的な絵画をさす。

 平安時代に中国から伝わった唐絵は、線の引き方、色の配合などに日本人の感覚を生かした繊細優美な画法。冊子(さっし)や絵巻物で大和絵という。

 鎌倉・室町時代に大陸からの水墨画は、桃山時代に障屏(しょうへい)画の大作として発展。これに大和絵の手法を取り入れて、金箔(きんぱく)や金泥(きんでい)を使った濃絵(だみえ)の手法で、寺院、書院造のふすまを飾った。

狩野永徳らの桃山の金碧(きんぺき)障屏画。

大和絵は、細密描写や風俗表現などの装飾性を発揮。

江戸中期になると円山応挙がこれを融合させて新しい様式となり今日の京都画壇へ伝わる。

 

〇狩野派

 

4世紀にわたる画家集団である狩野派。代表的な絵師としては、室町幕府8代将軍足利義政に仕えた初代狩野正信とその嫡男・狩野元信、元信の孫で安土城や大坂城の障壁画を制作した狩野永徳、永徳の孫で京都から江戸に本拠を移し、江戸城、二条城などの障壁画制作を指揮した狩野探幽、京都にとどまって「京狩野」と称された一派を代表する狩野山楽などが挙げられる。

幕府の御用絵師として、内裏、城郭などの障壁画の大量注文をこなす狩野家の当主は、一門の絵師たちを率いて集団で制作する。

 

1.狩野正信:足利市の長林寺に残る墨画の『観瀑図』 東山殿(銀閣寺の前身)の造営、正信がその障壁画を担当。土佐光信の伝統的な大和絵風に対し、水墨を基調とし、中国宋・元の画法を元にした「漢画」

2.狩野元信:妙心寺霊雲院障壁画 絵画における「真体、行体、草体」という画体の概念を確立

3.[安土桃山時代]道名の狩野松栄の名で知られる三男の直信 大徳寺に残る巨大な『涅槃図』

4.松栄の嫡男・狩野永徳 聚光院方丈障壁画 「花鳥図」 旧御物の『唐獅子図屏風』、上杉家伝来の『洛中洛外図屏風』 東京国立博物館の『檜図屏風』 永徳は細画(さいが)と大画(たいが)のいずれをも得意

5.[江戸時代前期]永徳の長男・狩野光信と次男・狩野孝信。光信は、永徳と対照的な大和絵図の繊細な画風。

孝信には守信(探幽)、尚信、安信の3人の男子があり、守信はのちに江戸に本拠を移し江戸幕府の御用絵師となる。名古屋城上洛殿の障壁画(水墨)。二条城二の丸御殿や大徳寺方丈の障壁画。

6.[江戸時代中期以降]もっとも格式のたかい「奥絵師」、4家を筆頭に、次いで格式の高い「表絵師」、一般町人の需要に応える「町狩野」。奥絵師の4家とは探幽(狩野孝信の長男)の系統の鍛冶橋家、尚信(孝信の次男)の系統の木挽町家(当初は「竹川町家」)、安信(孝信の三男)の系統の中橋家、それに狩野岑信の系統の浜町家。

7.京都に残って活動を続けた「京狩野」、狩野永徳の弟子であった山楽 山楽の娘婿で養子の山雪の妙心寺天球院障壁画 山雪の残した画論を、子の永納がまとめた『本朝画史』

8.木挽町家からは、江戸時代後期に栄川院典信(えいせんいんみちのぶ)、養川院惟信(ようせんいんこれのぶ)、伊川院栄信(いせんいんながのぶ)、晴川院養信(せいせんいんおさのぶ)

9.明治初期の日本画壇の重鎮となった狩野芳崖、橋本雅邦(近代日本画の指南的存在)

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.32

〇声の純化した上で、感情を練り込む

 身体の自然な流れでフレーズを作ってください。言葉を全部捉え、声の芯があっても、動きや流れがギクシャクしてはいけません。余計な力が入りすぎないようにしましょう。

 以下は実際のアドバイス例です。上級者への参考として載せておきます。

 「あ~苦しい寂しいあなたへの歌に~愛していたのと~」

 息の流れを考えてください。

 「た」が少し気にかかるのと、「あ」が「あ~」とひびきに頼った出方です。それはきちんと捉えて直す方がよいです。「あ~苦しい」、きちんと捉えます。「あ~苦しい」が、つくった声のようになるとよくありません。

 フレーズをつけたいのだったら、「あなたへの歌に~」のところで身体を使い切るようにしましょう。

 「あなたへの」のところでフレーズをとりすぎないように。「歌に」の方でとるのであれば、「あなたへ」はくっつけます。「あなたへ~の歌」とやるのなら「歌」の方を中心にしてください。両方で取ろうとすると、大変です。

 こういうフレーズを何度も練習して、声をどんどん純化させていくことです。ノイズが入っても、ポピュラーの場合は魅力的にでればよいのです。もっと身体を使って、もっと深く入れる人もいるし、もっとハスキーにする場合もあります。余計なものを取って、真芯にあるところの声だけできちっと持っていくことを目的にしてください。

 息は残しておかないといけません。声に感情を練り込み、ヴォリューム感を出すのに息は欠かせません。そのへんは自分の中でどこを正解にするかです。音程がとれていて、リズムがとれて、フレーズが見えている部分はどれも間違ってはいません。しかし、自分がやったものを正解にするには最終的に自分にフィットする感覚はどれかというのを選ばなくてはならないのです。

 どれが一番自分が満足できて、いや、お客さんにインパクトがあり、伝わるのかを考えてください。

 発声からいうと、ノイズを取っていった方が有利です。発声をより完成していくために、さらに音域とか音量にキャパシティを拡大していきたいのであれば、ここで声の真芯をきちっと握っていくことです。それで表現できるところまで耐えること、そのことで、それだけできることも多くなっていきます。目的は、ていねいに繊細に応用できる柔軟性に富んだ、しなやかな声です。

[若いときの鍛え方の方法]

 今、やらなくていつやるのでしょうか。

 デビューしていないからこそ、期間がとれます。

 喉をこわすこと、無理をすることを恐れては、身につきません。何事もトレーニングにはリスクはつきものです。何でも経験してください。二度同じレベルのミスをしなければよいのです。そして、そこでは、精神のトレーニングもなされているのです。

 声には変声期があるため、他のパートよりも楽器としては、10年遅れます。これを10年、若いと考えてみてください。25歳ならまだ15歳、30歳でもようやく20歳といったところだと思えばよいのです。

・声の原点……赤ん坊に戻る

 自分そのものをかくす衣装を分厚くまとい、保身だらけでみせかけだけ強い、エセヴォーカリストにならないことです。一流のヴォーカリストは、裸の声と自分をさらしています。その表情が、どんな衣装よりも、美しくきらびやかにみえるのです。心の化粧とでもいえましょうか。

・音色

 息で歌うつもりで、息をていねいに使いましょう。息と声との量の配合が、ポピュラーの醍醐味といえます。息のスピードの違いをわけて感じてみましょう。子音は息でコントロールすることです。※息が出てれば(声にならずに)よいということではありません。念のため。

・声の魅力、音色の変化

 母音 「アー」は、「アアアアアアア…、」と、アの点がつながったものです。

 声を統一させるとは、伸ばしたときには最後まで、同じ音を保つということです。私は純粋音といっていますが、「アー」というときに、そこにノイズや「イ」や「エ」が聞こえてはよくないのです。

 精神に肉体、思いに技術の一致したものが表われて初めて歌なのです。

・上半身の抜けと下半身の支え

 何を考えて歌っているのか、表情一つで意味をわからせることです。

 表情は明るく努めてください。すべて暗譜ですることです。練り込んでないもの、自信がないものは伝わりません。鏡をみて、上唇を花をかぐ形(だらっとおちない)にしてみましょう。

 上半身は常にリラックスさせます。それに対し、下半身は重心をおとし、しっかりと声を支えます。脱力するには、歌唱中にも身体を動かし、違う姿勢をとってみることもよいでしょう。よい印象を得ること。そして、自分のやり方で歌うべきです。

・顔の表情で音色を変える

 百面相のつもりで顔の表情を変えるトレーニングをやってみましょう。次に音をつけます。たとえば高音で子猫声をやってみます。

 miomia

 nmi

 uoa

 uoe

 miiia

 siiia

 miieaoui

 mieaouieaou 

 sieaouieaou

・原音(最下音)を探る

 低い音になると、荒らされていない声というのがあります。目安としては、普段、自分が話している声より、23音から半オクターブぐらい低いところに声の芯があると思ってみればよいでしょう。そこから、さらに34音、下になってくると、今度は使っていない(使わない)声域に入っていきます。

 そこでなら、あまり喉をしめず、1音くらい正しい声を探りあてられるでしょう。それを10回、20回、正しく繰り返せるようにしていくのです。この段階では、常に、身体に負荷を感じてやることです。

・うまいから、すごいへ

 表現がその人の心のなかから出て、聞き手の心に何かを伝えるわけです。本当の歌は

 「私が歌った後、それを聞いた人の人生が変わる」(シュヴァルツコップフ)とまでいってもよいのではないでしょうか。

 1つの音から次の音へと移るしぜんな息の流れをとことんトレーニングしましょう。これが、ただ、うまいだけのヴォーカリストからすごいといわれるヴォーカリストになるための秘訣です。

・いいがげんな指導を受けないこと

 すぐに、すべて直るようなトレーニングと指導というものはなく、すぐに直ったら別の副作用(今はよくとも将来的に悪くなる)をもたらすことがあると知っておきましょう。ヴォイストレーニングにおいては、とくに長期的な視野にたった指導が望まれます。

«「最強トレーニング」 Vol.12

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