ご案内

私は10数名のヴォイストレーナーとともに、ヴォイストレーナーにも指導しているため、内外のヴォイストレーナーのアドバイザーやヴォイトレをしている人のセカンドオピニオンもたくさんやってきました。ヴォイストレーナー、指導者、専門家以外にも「ヴォイストレーナーの選び方」などに関する質問が多くなりました。以下を参考にしてください。

 

「ヴォイストレーナーの選び方要項」 http://www.bvt.co.jp/new/voicetrainer/

 

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閑話休題 Vol.89「忍者」(1)

〇イメージと文化関連

 

忍者の呼び名の定着は、昭和30年代になってから。

 

世代別

20代、天誅シリーズ、コンピュータゲームの忍者、忍術

30代、NARUTO―ナルト― 漫画やテレビアニメ、映画

40代 忍者ハットリくん、 

50代  仮面の忍者赤影1969年 

60代 サスケ、カムイ伝、  

70代 忍びの者

 

「忍者ハットリくん」伊賀流の少年忍者ハットリカンゾウ、好敵手甲賀流のケムマキケムゾウ「あずみ」「カムイ伝」「バジリスク~甲賀忍法帖~」「くノ一ツバキの胸の内」

 

テレビドラマ『NHK大河ドラマ 真田丸』  NHK番組「伊賀忍者の森」

 

小笠原昨雲による軍学書「軍法侍用集」(1618年)巻六「忍びの巻上」

 

甲賀と伊賀

大正時代に流行した立川文庫 映画「忍術御前試合」(1957年)豊臣方で甲賀流忍術の大名人である戸沢白雲斎の子・虎若丸と徳川方で伊賀流忍術の大家である百地三太夫とその弟子・石川五右衛門とが大阪城で忍術対決。

 

〇海外での人気、イメージ

 

海外、特に欧米では、過酷な修行を積み重ねたスーパーマン

格闘技術、武器を駆使する暗殺者、特殊部隊

闇に紛れて人を殺すアサシンとかスーパーヒーロー

漫画『NARUTO -ナルト-』の影響

 

エンターテイメントに影響

研究対象として関心

実際に忍術を修行し経験する人も。

 

1967年に映画化『007は二度死ぬ』(小説は1964年)で、現代版忍者の海外での最初のイメージを作った。タイガー田中が率いる忍者たち。

 

1970年には、欧文による最初の英語の忍者解説書『見えない暗殺者』が出版。

 

1980年代には米国製ニンジャ映画の大ヒットでアメリカにニンジャブーム、ショー・コスギは100万ドルハリウッドスター。

 

アメコミからアニメ化された『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』やゲーム『ウィザードリィ』シリーズなど。

 

「ブレイド」(1998)、「Ninja(2009)、「ニンジャ・アサシン」(2009)

 

映画「ジョン・ウィック:パラベラム」で、キアヌ・リーヴスに忍者の印。

 

〇定義

 

忍者とは体系的かつ組織的な技術を有し、その術を持って城や他家に潜入して目的を遂げる可能性を秘めた間諜を言う。その技術には、天の利、地の利、人の利を読み取り、かつそれらの利を誘導、創作できる能力も含まれる。

 

忍びは非武士の忍者で、忍士(しのびざむらい)は、武士の忍者である。忍者は、忍び、または忍士を言う。(「忍者を科学する」)

 

サムライに並ぶ国際語、日本文化の1つ。

 

戦うのが忍者なのではなく、いかに戦わないようにするかが忍者

 

忍びには、堪える、秘密にする、隠れる、の他に、窃盗の意味。

 

日の丸のような赤い丸の中に、忍を書いて、忍びの本精神を表す、太陽とともに、純粋無垢、混じり気のない心根の意味合いがある。

 

忍耐に加え、残忍の忍も含む。いざとなれば、ひと刺し。ある。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.14

〇ポピュラーの声の基準 強い声、ハスキーヴォイス

 

 本当のヴォイストレーニングは、声としては完全に統一できるのに近いところまで試みます。ポピュラーのヴォーカリスト(特に、ジャズ、ブルース、ゴスペルなど)は、芯のある声で歌っていることものです。

 高音や声量を獲得していくときに、いわゆる声楽的な美しい声をめざして高音域を獲得するために、響きをとるようなトレーニングをするより、音色でダイナミックに伝わる表現を優先するということです。(声楽は移調できないため、声域を必要とするという条件があります)

 こう考えると、最初は芯のある声を一つの状態としてイメージしつつ、より高い完成に変じることをめざすことが、ポピュラーとしては理にかなっていることがわかるでしょう。

 喉が弱い人ならば、なおさら、声の安定と安全のために、より高い完成度、つまり、無理なく疲れを残さない発声を、求めていけばよいのです。声を発声器官とともに人並みを超えたレベルまで鍛えていきます。

 

 一方、強い声、大きな声の人は、用心してください。せっかくの声を効果的に使いたいなら、完全なコントロールのために基本的なトレーニングをすべきです。(日本では、それだけでステージのテンションがあがり、できているように思うからです。)生じ大きな声が出るだけに、音楽的な部分で学べず、まとめられない人が多いからです。うまく歌うには、統一された声と音楽的感覚が不可欠です。

 ハードな声でステージをして、次の日に喉に影響の残らないヴォーカリストは、日本ではまれです。日頃からの基本づくりのトレーニングが大切なのです。

 ステージ、歌というのは、ヴォーカリストの最終的なレベルの個別問題です。たとえば、「ブルース・スプリングスティーンの声の出し方は正しいのか」という質問は意味がないのです。彼は、音楽の活動ができているのです。音楽や歌は、声を聴かせるわけではないのです。彼はそれで、ステージをもたせられるのですから、彼にとっては、それが正解です。実績があって、ヴォーカリストとして一番大切な魅力があって、大勢の支持してくれる人間がついているからです。

 「あなたが彼のような発声をしたとき喉がつぶれないか?」というのが問題であって、彼にとっての問題ではないということです。

 歌という作品は総合芸術です。喉が強いからよいというものではありません。ひとつのかたちにまとめて、ステージができるのなら問題ないのです。

 

 ハスキー・ヴォイスは喉声と混同されがちですが、一流のヴォーカリストなら、かなり身体を使う深い声のポジションをとった発声法をしています。かなり深いところで強く息(つまり身体)を使うと、あのような声になるのです。声帯が理想的に使われているかどうかは別にして、それなりの表現として動かしやすいのは、確かです。

 日本人で、そういう声をまねて、わざと声を潰している人がいます。声帯を力で押しつけると、マイクにも声が入りにくくなり、音域も狭くなります。声帯は弱いので、使い方を間違えると、壊れます。本当のハスキーヴォイスは、理にかなった使い方をして決して喉声ではないのです。深く統一された声で、やわらかくもしっとりとも出せるのです。

 

[フレーズを統一するトレーニング]

1)「ラ」で(「ドシラソファ」で高いところから低いところ)

2)「ラ」で(「ドシシ♭ララ♭」で高いところから低いところ)

3)「ラ」で(「ミレドレミ」で高いところから低いところ)

4)「ラ」で(「ドソファミレド」で高いところから低いところ)

5)「ラ」で(「ソソソファミ」で高いところから低いところ)

 

[フレーズを動かすトレーニング]

1)あまいゆめを(「ドシラソファ」で高いところから低いところ)

2)あーいしていた(「ドシシ♭ララ♭」で高いところから低いところ)

3)きみーだけーに(「ミレドレミ」で高いところから低いところ)

4)もう二度とーは(「ドソファミレド」で高いところから低いところ)

5)ふたーりだけ(「ソソソファミ」で高いところから低いところ)

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.12

〇息苦しい声をなめらかな声に

 

相撲を取り終えた力士のインタビューでは、「ハアッハアッ」と息の上がった状態の声です。息が安定しないと、とても聞き苦しくなります。急激な運動をしたあとに、体を曲げ、肩を上下し胸が動くのは、体が酸素を急に取り込もうとしているためです。こういうときに、間に合わないために胸式呼吸が行われるのです。しかし、これは吸気優先であり、吐気でコントロールするには不適切な状態といえます。

しかし、平常でも息苦しく話す人がいます。「息苦しいならもっと吸えばいい」と考えがちですが、そうではありません。この場合はうまく吐くことができていないのです。

息は吐いたら入ってくるのです。ですから、あなたの声が息苦しく聞こえるのならば、問題は呼吸と発声(声立て)です。息が無駄に抜けているときは、口や舌に気をつけることです。息のコントロールカをつけ、長い息を使えるようにしましょう。腹筋や集中力も問われます。

 

・息苦しい、息のつまる、低くこもる声

アタックの部分に異常な成分が出てきている。声道を力でしめているのが原因。力士がいつも息苦しく、しめつけた声を出しているのは、取り組みのとき、異常な力を入れながら掛け声を出すので、それが普通の声の出し方になってしまったという見方ができる。

 

〇日本人はかすれ声が好き

 

日本人は、森進一さんや八代亜紀さんのようなハスキーな声を好みます。

尺八の渋い音色は、竹林をわたる風の音を理想としているそうです。風の音や虫など、しぜんの音は、かすれています。日本人が四季激しく移ろう日本の風土で育んできた感性、木や紙で作った家に聞こえてくる、風や雨の音に敏感に暮らしていたからでしょう。

日本人の好む音色に、サワリといわれるものがあります。これは、琵琶などで、弦の下にある小さな柱(フレット)に弦がかすかにふれ、うなりが生じることです。逆に日本人の浅い声の歌がどうして一つの音色でそろっていないのに、日本人には通じてしまうのかという理由にもなりそうです。

肉食の欧米人は立体的な顔であごが発達し、厚みのある体をしているため、体全体に共鳴させて発声します。日本人は、薄い小さい体のため、喉で絞って出していったのかもしれません。日本人の声は、喉の奥から上の方へあがっていくようで、カン高いのです。

 

〇息のもれる声、かすれる声

 

典型的なのは、明石家さんまさんや久本雅美さんの声です。職業上、喉に炎症を起こし、それが慢性化しています。声がガサガサしているときは、大体、喉の粘膜も荒れている。ノイズが出ている。これは、喉に炎症を起こし摩擦音が発生している状態である。粘膜にも異常がある。カラオケポリープというのは、声帯が炎症し、そこが腫れてポリープができてしまうこと。無理に喉を使いすぎるために起こる。日頃から、声をあまり使っていないのに、カラオケなどでいきなり声を張り上げたり、大声を出したりすると、炎症を起こしやすい。一曲歌ったら、喉を休ませたり、喉飴などで喉の粘膜を保護することが大切です。

 

〇かすれない声にしよう

 

息が効率よく声になっていないと、無駄に息もれしてしまいます。早く息がなくなって声が続かないということになります。呼気消費量が多いのです。これは声立て(息から声へ変換する)の問題です。

まずは体から大きな流れをもって、息を出すイメージにし、すべて効率的に声にすることです。いくら大きな声でも、かすれたり喉に詰まったりしていては、声は伸びやかに聞こえません。そういうときは、小さな声でことばを言うところから始めてみてください。少しずつ、大きな声にしていきます。かすれたら、やめて戻してください。

 

〇年をとるとノイズが出る

 

声にノイズが出ると、実年齢より上に見られがちです。声道の中の凹凸によって気流が渦を巻き、顔のしわと同じで、あればあるほど、高齢の声になってしまいます。

声の年齢を計る場合は、同じ音を続けて長く出してもらいます。口の形を同じにして、声を一定に伸ばしたときに、同じような一つの波形が出てくると、声が若いということになります。

年をとると、神経の伝達系や筋肉が衰え、口の形が一定でなかったり、空気の流れが一定ではなくなってくるので、 一つの波長と次の波長のところで、全く波形が変わってきます。その差を見ていくのが、年齢を調べるときのポイントです。つまり、声のノイズ成分が多くなると、年寄りの声に近づくということです。

また、こういう声の波形から、どういう職業の人かということがわかってきます。いつも大きな声を出していたりすると、セリの仲買人や八百屋の人とか、喉の炎症があれば、煙草を吸う人とか、そういう予測がつけられます。

 

・ハスキーな声

喉をしめがちである。データからもノイズが出ている。若干、高い周波数が少ない傾向があるが、一般的にハスキーな声というと、日頃から喉でしめた声を出しているといえる。

 

〇声の老化を止める

 

自分の声の中には、年齢が若い成分が出ている部分が必ずあるので、その声を重点的に使うようにします。どういうしゃべり方であれば、若く聞こえるか。何をしゃべっているところが、一番若いのか、そして、なぜそこがよかったのか、ということを追求していって、そこを使うようにすることです。一人ひとりによって違ってくるのです。

明石家さんまさんの声は、60代半ばくらいの声です。ノイズ成分が多く、慢性的な炎症が起きています。さんまさんの場合、引き笑いのときが、一番ノイズ成分が少なくて若いのです。ですから、そこを使うようにと、おもしろおかしく言っていたわけですが、さんまさんは、いわゆる声の使いすぎなのです。一番よいことは休ませることです。

人間というのは、一度引っかいたところを、引っかき、また同じところを何度も何度も引っかくということをやります。するとそこが慢性化してしまうのです。いわゆる痔と同じです。また同じところが切れてしまう。結果的に切れている同じところを切って、また新しい組織を生み出さなくてはいけないのです。

声の場合も、声の炎症を抑えるしかありません。そのためには、漢方薬や花梨のエキス、のど飴などもよいでしょう。

 

〇細い声や弱々しい声も個性になる

 

声は個人差の大きいものです。使う声量や声域、声質もさまざまです。声が太いと力強く、声が細いとどうしても弱々しく聞こえるものです。しかし、声が細い人は、それが自分の声が本来もっている個性なのですから、そこに磨きをかけるつもりでトレーニングをしてみることです。

トレーニングでは、声が大きくなる人もあまり変わらない人もいます。もともと声の小さい人は、無理に大きくするよりも大切なことがあります。細くてもよく通り、張りのある声であれば、充分に通用します。

もちろん、あまり声を出してこなかった人は、目一杯チャレンジしてみてください。いくら太い声で声量があっても、無理して出しているうちはよくありません。大きな声の人は、大きさに頼って雑なままになりがちです。

「やってみて、大きく変わることも、あまり変わらないこともある」のです。やってから考えたらよいでしょう。それも自分の声の個性を知ることになります。

 

〇タカタのトークの秘密

 

TVを見ている人の購買欲を高め、思わず買わせてしまうという、ジャパネットたかたの高田明社長のトーク術には、どんな秘密が隠されているのでしょうか。

彼の声を分析してみると、低い声から高い声まで、周波数成分が幅広く出ていて、表現力が豊かといえます。しかも、人間の耳の感度のいい周波数が強く出ているのが特徴的です。主婦が掃除機をかけていても聞こえるくらいに、よく通る質のよい声なのです。

加えて、売り文句のキーワードをゆっくり印象づけて繰り返す方法は、振り込め詐欺の手法にも共通しています。

「天敵、ライバル、問題となる相手をもつ」 No.396

緊張関係のある相手というのは、大切です。

刺激にもなるし、本能的に何かしら、意欲が湧いてくるものです。

 

まわりが心地よい人ばかりでは、人間、ぼけるだけではないでしょうか。

何の発想も出てこないし、生きる力さえ失われるかもしれません。

 

どこかでぶつかるとか、うまくいかなくなるとか、人生に、障害は、適度に必要です。

考えるトレーニングにもなり、それを乗り越えていくことで、処世術も身に付いていきます。

 

生きることに対する緊張感を失ってしまっては、ダメです。

気にくわない人、自分とうまくいかない人、批判する人をあえて、まわりにおき、自ら、接することに努めましょう。

閑話休題 Vol.88「槍」(3)

〇槍のいろいろ

 

直槍:日本の一般的な槍。海外の槍とは違って製造に特殊技能が必要であるが刀剣などで切断されにくく海外のと比較して頑丈である。戦国時代後半に普及し、中でも柄の長いものは長柄槍と呼ばれ、穂先の長いものは大身槍と呼ばれる。日本刀と共通の反り以外の鎬・目釘の要素を持っている。

 

ローチン:琉球(沖縄)に伝わる古武術「ティンペー術」にて使用する手槍。海亀の甲羅から作った盾「ティンペー」とセットで用いて使用する。「るろうに剣心」の登場人物・魚沼宇水で有名。

 

:漁に用いられる。タレント・濱口優でお馴染み。

 

神話では、北欧神話にてオーディンが使用した伝説の槍「グングニル(グングニール)」、

キリスト教にてイエス・キリストの脇腹を貫いた槍「ロンギヌスの槍」が有名。

ケルト神話で太陽神ルーが使用した槍「ブリューナク」、

インド神話にて破壊の神シヴァが携えている槍「トリシューラ」など。

 

 

麻雀では、他家がカンを宣言した時にそれが自分の上がり牌であった場合、ロンを宣言できる「槍槓(チャンカン)」というルール及び上がり役が存在する。

「ゼロの使い魔」では、ハルケギニアに召喚されたタイガー戦車を「ガンダールヴの槍」。

 

漫画「BLEACH」では脅威の射程距離を誇る斬魄刀「神鎗」が登場する。鎗となっているが脇差しサイズの日本刀。卍解は「神殺鎗」。

市丸ギンの始解の神鎗(しんそう)では、門の内側から長く伸ばした刀身で一護を攻撃しています。驚くことに、卍解の神殺鎗(かみしにのやり)では、なんと13kmも刀身が伸びるとギンは言います。この時の「13kmや」というセリフが衝撃的だったので、ジャンプ連載時ではネット上で「13kmや」がネタに。さらに、伸縮速度は音速の500倍、一護も驚きを隠せませんでした。しかし、神殺鎗は、実際は13kmも刀身は伸びず、伸縮速度も音速の500倍ほど速くはありません。真の能力は、伸縮する際に一瞬だけ刀身を塵とし、一部だけを塵に変えないで、相手の体内に刃の内側に仕込んだ猛毒を残すのです。

 

Fate」にも『ゲイ・ボルグ』という槍が出てくる。元ネタはケルト神話。

 

「全身に何百の武器を仕込んでも、腹に括った「一本の槍」にゃ敵わねぇこともある・・・」 赤足のゼフ (ONE PIECE)

「俺の槍を磨け」 アルゴニアンの侍女

 

 

BLEACH

50回(平成16年度)小学館漫画賞少年向け部門受賞。20182月時点でコミックスシリーズ累計発行部数は、国内で9000万部、全世界では12,000万部を突破。テレビ東京はテレビ東京の業績に貢献度の高い作品として、『NARUTO -ナルト-』『遊☆戯☆王』と共に『BLEACH』の名前を挙げた。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.13

〇頭声と胸声

 

 高い声が出る人や、女性にありがちなのは頭声の方にすべての声を集め、胸声をまったく使っていない状態です。

 逆に、胸声だけでキープして出している場合があります。そうすると、あまり頭部に響かないのです。

 日本人のトレーナーは、頭声を早くから要求しがちです。後者よりは前者をめざしているのです。しかし、結局、頭声、胸声は区別して覚えていくものではなく、歌のなかでの声のひびきのバランスで考えるべきことなのです。

 世界各国をまわると、後者タイプのヴォーカリストが少なくないことに驚かされます。上に響きをもってこなくとも、胸で、かなり高い音まで出しているのです。これには強靭な身体と息の力を必要とします。

 

 高いところで、胸声をキープしていると、身体が強くなってきます。この歌い方は、シャウトもでき、ことばが響きに流れずにしっかりと伝わりますから、迫力ある歌を歌うときには欠かせません。

 しかもトレーニングにとっても最も大切なこと、声を出すことで身体が鍛えられていき、声と身体とを1つにすることができるのです。

実際のトレーニングの場では、一時的に音がこもったり、フラットしがちで、暗い音色となることもあります。しかし、それは胸を開くための準備であり、深いポジションを獲得することがねらいなのです。つまり、時間がかかるので、多くの日本人は音程や発音という目先の問題の解決に走ります。

 一流のヴォーカリストの声の音色は日本人がめざすほど明るくはありません。表情や響きで輝きをつけていることを知っておいてください。最終的に、歌にまとめるときは、胸に押しつけずに解放させることが必要です。

 たとえ、一時、音域も音量もとれなくなり、響きもことばも不明瞭になっても、ただ1つ、声そのものの持つ表現に耳を傾けてみることです。そこに重みが加わり、魂が身体が入り込んでいるなら、最初の段階としてはよいのです。(この見極めは難しく、個人差もあります。感覚が伴わないこと、声を壊す方向にやりがちです。常に「バランスのチェック」をすべきです。)

 さて、一番、困るのは、すべての声域にわたって、一見、声は統一されているものの、気持ちをのせられる声になっていない場合です。日本人のヴォーカリスト志願者のほとんどがこれを無視して声域を獲得し(たつもり)、音響技術で補っています。それではいくら、先に述べた部分的なトレーニング(発声器官、呼吸法、共鳴のトレーニング)をしても、根本的な解決になりません。本人がそのことにまったく気づかず、上達していると信じてやっていることが、問題なのです。

 

[胸声をキープするトレーニング]

なるべく声を変えないでやってみましょう。

 ことばは何でもよいでしょう(「ラ」)

1)ドレミファミファソラ

  ファソラシ ソラシド

2)ドミソ レファラ ミソシ ファラド

3)ドド♯レレ♯(半音ずつ4つ)で1オクターブ上まで

4)同じく半音ずつ5つで1オクターブ上まで

5)ドレミ、ド♯、レ♯ファ(全音で3つの音)で1オクターブ上まで

 

〇音域別のトレーニング

 

低い音は、人によっては比較的、共鳴をつかみやすいといえます。喉に緊張感を与えないなら、初心者のトレーニングに最適です。ポイントは、声が自然と深く出るポジション(私は「声の芯」と呼んでいます)をつかむことです。  

話している声よりも低い音域はほとんど使ってきていません。だから、悪いくせがついていないといえます(そこでの息で声をみつけることです)。  

普段高めの声を使っている人は、最初はやりにくいので、やや低目から始めます。続けていくに従い、しっかりとした声が出るようになります。そのときに、太くて男みたいな声と思わず、本当にしっかりした声を出している魅力的な女性の声をめざしてください。(世界の女性ヴォーカリストや女優の声の質感を何度も聞いて、捉えておくことが不可欠です)。   

最も低いところで自然に出る声を私は「最下音」と呼んでいます。これ以上、低い声を出そうとすると喉で無理に出すことになります。そこは、深い息だけになるのがよいのです。 

 

[中音域でのトレーニング]

低音で始まり、中音域で橋渡しをしてサビの高音に入るというのが多くの歌です。特に声の差がつくのは、中音域です。中音域は、簡単に出せるだけにしっかりと出すのは、なかなか難しいところなのです。中音域でのメリハリ、声の厚み、ヴォリューム。そこで実力は判断できるのです。  特にソラシドあたりで、声をそろえようとするとかなりの実力が必要となります。多くの人は、ここでヴォリューム・ダウンします。

私のヴォイストレーニングは、しっかりとこれらの音をそろえて出せるようにした上で高音域に入るので、ここでは一時的には、あまり響かせないようにしています。  

中音域なのに、安易に頭声に移行すると、すでにそこで明るく薄っぺらい響きとなり、それなりに盛り上がってしまいます。すると、次にくるサビが冴えなくなり、パンチが効きません。  

曲の構成からいうと、中音域は橋渡しのところで、メロディよりもことばの占める要素がまだ大きいところです。つまり、盛り上げるまえの抑えの部分、ことばにたくさんの息吹、感情を送り込んで、メリハリをつけるべきところなのです。いわばパンチの効いた声が柔らかく深いものであれば、どんな歌にも充分に対応できます。この中音域には安定感とヴォリューム感が不可欠です。  

 

[音域移行のトレーニング]

 高音へ移行するトレーニングは、高音をとりにいくためではなく、すでにとれている高音をより使いやすく、感情表現ができるようにするために行なうことです。つまり、高音域を作っていくのではなく、すでに作られた高音域をより自然に使えるようにしていくために行なうのです。    高音の獲得は目的ではなく、結果なのです。人によって違います。

仮に私がマライア・キャリーの高音が欲しいとして、そこでトレーニングをするのは、最初から無理とわかります。しかし人は、自分にないものを欲しがり、あこがれの人、そっくりになりたいのです。私がみて、それで成功した人はいません。自分の資質や可能性を知ることです。もう一つの理由は、すでに10代で楽に出る人がたくさんいるということで、こういう人は100人に1人で、私も高音からトレーニングします。日本の高音域ヴォーカリストの大半は、努力せずにすでに出せていたのです。確実なところをより確実にしていくことによってのみ、声はヴォリュームを増し、そのなかで音域も獲得していきます。  

ですから自信の持てるところの声域で、メリハリをつけるトレーニング、より確実に深く声をつかまえ、身体の力でそれをコントロールすることを繰り返すことです。そのことによって、自然と声が導き出てくるようになり、気づいたら、声域、声量とも拡がっているというものなのです。   

何ごとも、「早くやりたい」「まだできないか」とがんばっているときには目的は達成できず、そんなことを考えることもなくなるほど量をこなしたとき、目的のものは手中に入っているのです。気づいてみれば、すべては気の遠くなるようなトレーニングをやってしまった後だったということです。  

ですから、中音域で、声を動かすトレーニングを徹底させることをお勧めします。  

1)弱くから強くする  

2)強くから弱くする  

3)弱くから強くして弱くする  

4)強くから弱くして強くする  

 

このとき、発声器官での調整は絶対にしないこと、喉を楽にして、負担をかけないことです。  

胸声と頭声のバランスは、ポピュラーの場合、歌のスタイルによってかなり異なってきます。

 まずは、1オクターブ(たとえば、下のドから上のドまで)は、胸声でキープしておくことをしっかりと行います。これをもう23音(レ、ミまで)、胸声のまま伸ばそうとする方向でのトレーニングがあります。ただし、無理をして声をつぶす危険があるようならやめます。  

逆に、23音上から(レかミ)、頭声でとり、そこから下へ降りてくるトレーニングもよいでしょう。特に高い音が出やすい人には、有効です。ヴォリュームをつけ、胸の響きをも感じてください。  

声楽では、バランスを上に持っていきます。頭声での響きを加え、声楽特有の美しい響きの発声とします。  

しかし、ポピュラーでは、このバランスは自由に決めていくべきだと思います。声楽の人からは理解できず、否定されるべき発声で、素晴らしい個性的な歌の世界を築き得たヴォーカリストばかりいるのがポピュラーの世界でしょう。美しい声よりも優先すべきものを捉えて、声はそれを自由に伝えられるように、身体と一体化すべきなのです。ただし、その根本には、口や舌に余計な力を加えたり、喉声にしないなどという共通の条件があります。つまり、声を統一することに関しての基本は同じことなのです。

 

〇高音域発声のチェック

 

  高音域の発声については、次のポイントでチェックしてみてください。そして正しい発声のできる範囲内でトレーニングをすることです。   

 

正しい発声については、次のような特長があります。

□力強さがあり、共鳴する(響く)

□ヴォリューム感があり、低音から高音まで音色が統一である

□しなやかさがあり、ムラがない

□美しさを感じる

□劇的(ドラマチック)である

□透明感がある、遠くから聞こえる

□均質で無理がない

□柔軟である

□軽快であってリズムが感じられる

□何度も、同じことを繰り返せる

 

間違った発声については次のようになります。

□喉を酷使しているように感じられる

□鼻声や不自然なかすれ声になる

□強弱のメリハリにムラがある   

□ヴォリュームが出ない

□キンキン響くか、かすれたり、喉声になる

□重々しくこもっている

□ひずんでいる、無理を感じる

□音を低くすると極端にヴォリュームがダウンする

□長時間、同じことを繰り返せない

□音色にムラがある 

 

〇裏声とファルセット

 

 日本人の女性の場合は、地声を使わないように教えられて、裏声だけで歌っている人も少なくありません。しかし、裏声で人を感動させるためには、なかなかの素質が必要です。私は、地声で可能性を追究することを勧めています(地声を喉声という意味で使っている人もいますが、ここでは、裏声、ファルセットに対する声として使います)。ホイットニー・ヒューストンやセリーヌ・ディオンなど(ベルディングというものです※)。声によほど恵まれていない限り、使い方でみせていく、そこで裏声よりは地声の方が可能性が大きいからです。

 トレーニングで確実に大きく変えられるのは、身体と息です。その線上にのる声は、いくらでも発展できますが、裏声ではすぐに限界がきます。というのも、響きの調整のトレーニングくらいしかできないからです。

 ただし、自分の作詞や作曲の才能を中心にして世界を切り開いていこうという人には、その限りではないと言っておきましょう(私自身は決してよいとは思いませんが、こういう歌い方をめざす人が多いからです)。

 声自体の魅力からいうと、薄っぺらい声で声域も狭く、声量も絶望的です。特に低中音域はエコーなしでは聴くに絶えないレベルを出られないでしょう。

 男性の場合も、小さく浅い声をやわらかく高音にあてて歌うヴォーカリストが、特にニューミュージックやロックの若手に多く見られるようになりました。ヴォーカリストにはいろいろなスタイルがあり、このタイプは主流になりつつあります。それでもプロになった人は、何らかの世界(ヴォーカリストの魅力は声だけではなく、多くの要素があります)が開けたので、よいのでしょうが、これからトレーニングをしていこうとする人は、お勧めできません。高齢になるにつれ、喉の耐久性に難が出やすくなるからです。

 

1オクターブの上下降のトレーニング]

 1オクターブをとるのは音程のトレーニングでなく、声の統一の調整のトレーニングとして行なうとよいでしょう。 

上から1オクターブ下へいくトレーニング  

完全に声をとらえて、そこから胸声のバランスを増やします。 下から1オクターブ上へいくトレーニング  胸声をとらえつつ、予め、上でのイメージを明確にして、一気に高い音に移りましょう。結果として上にバランスが移ります。 

音が下がるときに注意する  特に音が下がっていくときには音高(ピッチ)に注意します。かなり意識しないと、息の支えが抜けてしまいます。  

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.11

〇大きな声を出すために喉は鍛えられるのか

 

日本人ほどカラオケやスポーツの応援、演説などで、すぐに喉が痛くなるような声の弱い国民はあまりいません。ふだん大きな声を出したことがないのに、無理をして限度をわきまえずに、声を出し続けるために障害が起こるのです。この頃は少なくなりましたが、カラオケでの喉の異変は、国民病のようなものでした。(急性声帯炎などのはれ)

理想的な発声は、喉への負担を最小限にします。「喉がすぐに痛むのは、よい発声ができていない」ということになります。「再現性こそが上達の前提」です。

声帯(喉)ではなく、お腹から声を出す感覚で発声することです。実際に、声帯に息を送り出し、声をコントロールしているのは、お腹です。喉をリラックスさせようと思っても、喉そのものをコントロールすることはできないからです。

喉が痛くなったから、せりふや歌も伝わらないとは必ずしもいえません。ひずんだ声でこそ、伝わるものもあります。でも、その痛さゆえ伝わる気がするというのは、よくありません。痛みや不快感は、発声への警告なのです。

 

・つぶした声(圧迫起声)

かつては、選挙戦後の政治家の声は、炎症を起こし、つぶしたような声になりました。声道内の空気流が渦を巻いている。声帯の周りが炎症を起こしてざらざらになり、ノイズ成分や摩擦音が出てくるのです。

 

〇かすれた声は喉に悪い

 

悪い状態で声を出しすぎると、喉に炎症をおこしたり、ポリープができたりしやすくなります。この場合は、声(声帯)を休めて、治るのを待たねばなりません。そのまま使い続けると、さらに悪化してしまう場合もあるので注意してください。声がかすれるという場合、声帯が発声障害を起こしているという可能性も考えられます。

つぶした声の方が感情が伝わりやすいし、声もコントロールしやすいという人もいますが、決して勧められません。つぶした声は、声質が悪く、声量、声域も狭くなり、不しぜんで細かなコントロールができにくいものです。しかも、長く休めると、もとの細い声に戻ります。つまり、何ら身についていないのです。楽器を壊しているなら、不利になるばかりです。将来の不安も大きくなるでしょう。

ですから、喉をつぶそうとしたり、無理にからした声を出そうとしたりしないことです。充分に声を休めたあとに、ファルセット(裏声)や低い声、小さな声やハミングができるかどうかでチェックするとよいでしょう。

声は喉だけでコントロールできるものではありません。

私は、声がよくても悪くても「鍛えられていて再現性があればよい」と判断しています。しかし、一般的なヴォイストレーニングでは、調整中心ばかりで、そういう鍛え方をするのは稀です。

「声は声そのもので勝負するわけではない」のですが、「持って生まれたものを充分に活かすこと」です。「自分のやりたいこと、好きなことと、できることは(高いレベルでは)違う」ということを、知ってください。

声の使い方がよいとは、楽器(身体)の機能の活かし方から問われるべきでしょう。喉という楽器を、その原理にそって使わなくては、発声も本当にはよくなっていかないのです。

声量を増やすために、喉を無理に鳴らそうとしている人をよくみかけます。しかし、声量は共鳴のさせ方で変わってくるもので、喉をいかに強く鳴らすことができるかではないのです。

 

〇聞きやすい声、通る声

 

通る声とはいったいどのようなものでしょうか。まず、イメージが湧きやすいようにいくつか例を挙げてみましょう。

日本でいえば、たとえば戦国時代などの武将やお坊さんの声が挙げられるでしょう。もちろん、当時の声が録音されて残っているわけではないのですが、文献などから、彼らがいかに大勢の人を前に大きな声を使っていたかがわかります。

当時は、マイクや拡声器といった代物が存在しないので、より遠くへ、より多くの人に情報を伝えるために、通る声を会得していたと考えられます。そうでなければ、一人前にはなれなかったでしょう。

通る声は、人間の耳の感度のいちばんいいところにその周波数が集まっています。2500ヘルツ〜4000ヘルツのところです。

通る声には欠かせない要素があります。まず、腹式呼吸での発声ができていること、すると声の周波数は、25003000ヘルツあたりに集まってきます。腹式呼吸での発声の場合、肺からの空気を一定にコントロールして声帯を振動させるので、スムーズに発声するため、周波数が安定してくるからです。

この周波数帯は人間の耳がもっとも感知しやすいところです。これを腹式呼吸ではなく発声した場合では、空気の流れが乱れ、声帯の振動が一定にならず、周波数も不規則に乱れるのです。

この聞きやすい周波数の声と50ヘルツくらいの声とを比べると、人間の耳の感度では聞こえ方が300倍くらい違ってくるのです。

つまり、ウグイスの鳴き声は300分の1のヴォリュームでも、50ヘルツの声と同じくらい聞きやすい音になります。聞きやすい声というのは、それだけで遠くまで響かせることができるのです。

 

〇小さくても通る声

 

小さい声なのでエネルギー量は小さくても、成分をはっきりとわかるようにします。「あ」を「あ」と聞かせる声の周波数成分(フォルマント)がきれいに出ていると、暗い声のときのように、わかりにくい感じにはなりません。レベルとしては同じくらいでも、よりはっきりと聞こえる。いわゆる通る声です。

重要なのは、声が高周波まで伸びていることです。高周波の成分を含んだ子音をきれいに発声しましょう。言葉の音節を発しているリズムで、音節のひとつひとつを一定のリズムに乗って発していけば、テンポよく聞こえます。

二つめは、周波数のリズムです。声の高低のリズムと言い換えることもできます。ビートという意味でのリズムに乗って言葉を発していたとしても、発せられた言葉の周波数に変化がなければリズミカルな話し方には聞こえません。基本周波数の上がり下がりにリズムが必要なのです。これによって、聞く側に適度な刺激を与えられるからです。

三つめは、音量、声のヴォリュームのリズムです。言葉を発するうえでの強弱です。強調するところでは音量を上げ、あまり強調する必要のないところでは少し小さな声で喋るという変化をつけることです。こうすると、聞き手に声や話し方が魅力的なものに感じられるようになります。

 

〇振り込め詐欺にだまされるのは、なぜ

 

通常、人が話すスピードは1分間に400語ですが、振り込め詐欺は1分間に530語と速いです。この早口に、被害者は、まずパニックに陥ってしまいます。

530語というのは、人間が緊張したときの心拍数と同じです。早口を耳にすると、心拍数もそれに同調して上昇しがちなので、交感神経が高まり、身体が興奮し、脳も混乱してしまうのです。

「事故」「100万円」など、キーワードとなる言葉で声が高くなります。同じ言葉を繰り返すのも、この手の犯罪の特徴です。

 

〇声で嘘を見抜く

 

嘘をついている場合、緊張したり、動揺すると、声帯から発する基本周波数に変化が表われます。言いにくいことをごまかそうとすると、基本周波数が乱れます。興奮してくるとさらに変化が表われ、基本周波数は倍くらいの数値で上下することもあります。

人間は、一精神状態が興奮していくと、身体の筋肉も緊張します。それに伴って、声帯の振動音も高くなっていくため、振動数の変化、つまり声帯の張り具合から、いつ緊張したのかもわかるのです。つまり、嘘の発見などにも使えます。

「異なる意見を聞く」 No.395

自分と同じような考えは、自分がわかっているのですから、違うこと、反対のことに気づくために、

いろんな場に出たり、いろんな人の意見を聞くのです。

 

対立したり、反論されたりすること自体を

楽しみましょう。

 

そのためには、同調圧力を廃し、

相手が言いたいことを

本音でいえるような場づくりが大切です。

 

年を重ねることに気をつけたいことです。

閑話休題 Vol.87「槍」(2)

〇使い方

 

槍のメリットは、間合いの広さです。離れた場所から刀剣や盾の相手へ攻撃したり、振り回せます。短くすれば近接戦闘にも対応できたと言います。

戦闘時に相手との距離がとれることによる恐怖感の少なさや振りまわすことによる打撃や刺突など基本操作や用途が簡便なため、練度の低い徴用兵を戦力化するにも適する。

剣よりも刃先に使用される石(黒曜石など)や金属(青銅、鉄など)が少なく済む。

 

欠点としては、大型ゆえ閉所での戦闘には向かないことや、長い柄が不利に転じ得る、携帯に不便などである。

 

担架やもっこの代用品として負傷者や荷物などを運ぶ道具。旗竿、軍旗や優勝旗などの旗竿はしばしば槍を模した穂先などの装飾。

複数の槍を使って壁を作る、物干し竿代わりにするなどにも使われました。

 

投擲用の槍は、独自の発展を遂げた。古代ローマのピルムは最も高度に発展したものの一つ。弓がなかったアフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、ニューギニア島、ポリネシア・メラネシア・ミクロネシア太平洋諸島圏及びハワイ諸島、南米奥地などでは、近代まで狩猟具や武器として用いられてきた。

飛距離を増大させる槍投器が世界各地から発掘されている。

現在の陸上競技でも投げた槍の飛距離を争う、やり投があります。

 

〇種類

 

大身槍 穂が長い槍のこと。

柄の形状は、扱いやすいように穂よりも短く、太くなるのが特徴です。穂の長さが長大になればそれだけ重量が増し、扱いにくくなるため、大身槍を扱うことができたのは筋力と腕力が優れた使い手でした。

史上最も有名な3口の槍「天下三名槍」(てんがさんめいそう)が、大身槍です。

菊池槍 短刀に長い柄を付けた槍。

刀身に短刀を使用しているため、片刃となっている。1336年の「箱根・竹ノ下の戦い」「菊池武重」(きくちたけしげ)が竹の先に短刀を縛って武器としたことがはじまり。

刃長は6寸(約18cm)前後と1尺(約30cm)前後の2種類があり、後者は「数取り」(かずとり)、隊長が所持していました。長さが異なる菊池槍で、一目見て兵士の数が分かるようにしたのです。

 

鎌槍 穂の側面に「鎌」と呼ばれる枝刃が付いた槍のこと。相手の足を斬る目的で付けられたと言われる一方で、深く貫きすぎることを防ぐ役割ももっていました。

片方だけに鎌が付いた槍を「片鎌槍」(かたかまやり)、十字に鎌が付いた槍を「十文字槍」(じゅうもんじやり)、「両鎌槍」(りょうかまやり)、「十字槍」(じゅうじやり)と呼びます。

 

十文字槍には、左右の枝刃の長さが異なる「片鎌十文字槍」、鳥が飛び立つ様子に似た「千鳥十文字槍」、枝刃の取り外しが可能な「掛け外し十文字槍」。

左右の鎌が上下向きになっている「上下鎌十文字槍」(または「卍鎌槍」)など様々な種類がありますが、費用がかかるため、主に大将が使用していました。

戦国武将「真田幸村」(真田信繁)は、「大坂冬の陣・夏の陣」で朱色の十文字槍を持ち、騎乗で「徳川家康」のいる本陣へ突撃したという逸話。真田幸村は、この活躍から「日本一の兵」(ひのもといちのつわもの)と呼ばれるようになりました。

 

袋槍 穂の茎(なかご:刀身の中でも柄に収める部分)が筒状になった槍のこと。「かぶせ槍」とも呼ばれており、穂の着脱が容易なため、近くの竹などを切り出して先端に差し込めば急造の槍として使用できました。

明治時代まで全国展開した刀工一派「信国派」の中でも、筑前で活躍した信国派は槍の制作を得意としており、多くの袋槍を遺したことで知られています。

 

管槍(くだやり 穂に近い柄の上方に鉄製の管を嵌めた槍のこと。管を嵌めることで素早く刺突ができるようになるため、「早槍」とも呼ばれます。

江戸時代 近松門左衛門」は、浄瑠璃「堀川波鼓」(ほりかわなみのつづみ)で「きぬは紅梅、魚(うお)は鯛、云(い)ふも管槍、人は武士」(花であれば桜、魚であれば鯛、槍であれば管槍、人であれば武士が最も優れている)と記した。

管槍を考案したのは、槍術家の「伊東佐忠」(いとうすけただ)。伊東佐忠は、戦場で左手を負傷した際、槍に管を嵌めて扱いやすくした。特に尾張藩で発達。

 

 

蜻蛉切(とんぼぎり) 正式名称を「槍 銘 藤原正真作」(号 蜻蛉切)、徳川家康の重臣「本多忠勝」が愛用した笹穂型の大身槍。笹穂型とは、刀身が笹の葉に似ている。刃長は43.7cm、柄の長さは約6mあったが、晩年は約90cmに詰められました。名称の由来は、壁に立て掛けてあった槍の刃に触れた蜻蛉が真っ二つに切れたことから、天下三名槍の中で最も切れ味が優れていたことを示す。

 

日本号(にほんごう/ひのもとごう)は、正式名称を「槍 無銘(名物 日本号)」。「正親町天皇」から「足利義昭」「織田信長」「豊臣秀吉」「福島正則」に渡り、黒田家へ伝来した大身槍です。刃長79.2cm、茎長80.3cm、拵を含めた全長は321.5cm。正三位の位を賜ったという言い伝えから「槍に三位の位あり」と謳われた名槍で、「黒田長政」の家臣「母里友信」(もりとものぶ)が酒飲み対決で福島正則を圧倒した末に譲り受けた。この逸話から「呑み取りの槍」という別名が付けられ、民謡「黒田節」が生まれました。

 

御手杵(おてぎね)は、正式名称を「槍 銘 義助作」。鞘の形状が手杵(てぎね:餅つきに使う道具)に似ている。刃長4尺6寸(約139cm)、茎を含めると7尺1寸(約215cm)、鋒/切先(きっさき)から石突(いしづき:柄の先端)までの全長は11丈1尺(約333.3cm)、刃長は「天下三名槍」でも最大級。

下総国の大名「結城晴朝」(ゆうきはるとも)が、戦場での首級を槍に刺して帰城した際、ひとつの首が転がり落ち、手杵のように見えたため、手杵形の鞘を作りました。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.12

〇声は表現から定まる

 

 単に声量の変化だけでは歌は聞かせられません。ヴォーカリストは歌の案内役です。少なくとも、聞いている人に先を越されぬようリードし、どの一瞬も、ことば、メロディ、フレージング、リズム、センスなどで聞きごたえを与え続けなくてはなりません。

 一本調子の歌は、何も生み出せません。もたないから、きき手にヴォーカリストの歌うところの先にいかれます。結末までの流れまでをすべて見抜かれてしまうのです。それでは、聞くところがありません。

退屈な時間を与えるのは罪です。ヴォーカリストは、演奏中、ずっとその流れを引っぱり、楽しませてあげなくてはならないのです。

 そのために、声量の変化とともに、音色の変化が欠かせません。(※統一した音色をもって、自由に変じる。つまり、変じるために統一したものが必要で、それがベースだったのです。もちろん、歌い手には、変化させずに歌う人も少なくありません。)

 音色はつくるのではありません。正しい発声であれば、それぞれの声域、声量にあわせて、色つや、響きが出てきます。

発声は統一しているのですが、その表現によって、音色は、ことばやリズム、センスに伴って微妙に変わるものです。喜怒哀楽を中心とした感情や歌の背景にあるものを表現できるようになっていきます。

 

○ステージの環境

 

 バンドでやるときには、ドラムやギタリストなどと音量を張り合わないこと、各パートのバランスをしっかりととることが大切です。日本のヴォーカリストは声量がないので、バンドのヴォリュームを絞るべきでしょう。

 声域、声量によって、それぞれにでてくる音色をミックスさせたり、違うレンジで自由自在に使うのが、声の技術です。

そのためのトレーニングがあるのではなく、歌のなかでの表現から音色が決まってくるのです。強く激しい、柔らかく甘い、おっとりとおだやか、などと、伝えたい内容を最も効果的に表現できるベースの声でどのレンジも統一して、歌いわけていきます。

ですから、プロは曲の組み合わせをいろいろと変えながら、お客を飽きさせずに1曲のなかでもみせ、さらに何曲も聞かせ続けられるのでしょう。その表現が音色を選び全体を構成し統一していくのが、ヴォーカリストの世界です。

 高いところは輝き、スリリングで、中間は説得力があり、低いところはしびれるような声区別の発声でパターン化させただけでは、ワンパターンです。さらに音楽に結びつけて、深めていく必要があります。

 常にステージに立っているイメージでトレーニングすることをお勧めします。できるかぎり、大きな空間を意識して、しっかりと歌いましょう。

 最初からマイクに頼らないことです。マイクに頼らずに仕上げておけば、本番はマイクが助けてくれます。もちろん、マイクの性質は知っておきましょう。

 リハーサルと本番も、音そのものの響きや聞こえ方は違うので、自分の身体の感覚で覚えておくことです。観客がいると音が吸い込まれる分、音も変わります。モニターがよく聞こえる位置に立ったり、マイクの特性を観客席に行なって確認するくらいのチェックはしたいものです。

 

[メロディを表現するトレーニング]

ことばでしっかりと感情を込めて読んでから、低いところでメロディをつけてみましょう。

ここで使う声域は、ラシドレミファソの1オクターブです。(ラ、シは、ドより低い音で)

1)あなたを愛することを(レミファレドレミドミレラ)

2)よあけのひかりに(ドソソソファミファ)

3)はじめて知った(レミファレシドレ)

4)ゆめはすべて くだけちった(ファミファミレド ファミファミファソ)

 

次に少し高いところでやってみてください。

さらに高いところでやってみてください。

 

〇ヴィブラート

 

 歌声を聞いてプロだと感じさせる要素の1つは、心地よいヴィブラートです。わずか1フレーズでも、プロだとわかるのは、ヴィブラートのもたらす明瞭で活き活きした、自然で躍動感のある声の動きです。その声の動きに、メリハリ、ヴォリュームがついているので、一本調子にはなりません。

 ヴィブラートは、しばしば間違って解釈されます。混同されているのが、トレモロや声の揺れです。これは、いけないものです。それをヴィブラートといって、教える人もいます。

 ヴィブラートは直接にコントロールできるものではなく、声の動きのなかで生じてくるものです。無理につけようとしないことです。

 すぐれたヴォーカリストは、ヴィブラートによって流れをつくり出します。よいヴィブラートであれば、スムーズにレガートで音程やことばのつなぎなどに荒れが感じられるはずです。変にかけると、不自然な声となります(これを難なく聞かせてしまうため、ヴォーカリストが上達しない原因の一つがエコー(リヴァーブ)装置です。カラオケは、これが苦手な日本人を助ける魔法の装置です。)。

 ヴィブラートと大げさに言わずとも、しっかりしたトレーニングでは、常に発声に伴っています。

声を伸ばしていくと、しっかりした芯が一本通っていて、声そのもののヴォリュームのキープが確実にできるようになります。その上でゆらぎが生じるのです(1秒間に6回くらいの規則正しい周期をもったものといわれます)。揺れ幅は、音量が増したり、高音になると大きくなります。

 これがヴォリューム感であり、情感をゆすぶる表現と直接に結びついています。高音の方が感情表現しやすいのも、揺れ幅が大きくなるからです(ピッチのゆらぎが大きくなります)。

 ヴィブラートがついていないと、喉が緊張して、柔軟性のない重く固定された薄っぺらい声か、がさつく声となります。これでは素早い音程の変化やことばの変化に、うまくついていけません。(ノンヴィブラート唱法とか言う人もいますが、程度問題です。)

 声量や声域を伸ばしていくのは、ヴィブラートによるフレージングともいえます。

 喉声で力まかせに歌う人は、生声になり、不規則な周期の揺れとなります。もっと悪いのは、息の支えなしに歌っている人です。こういう人は、喉声であることさえ、気づいていないのです。

(ところが、それでうまいと勘違いするのが多くのカラオケ愛好家たちです。)高音や声量を上げたとき、あごや舌、喉が緊張するのは、そのためです。

逆に声を胸に押しつけたような発声では、音程などが狂いやすく、高いところや低いところで声が出にくくなります。本当は、息の支えの上で“浮いている”ような、声をとらなくてはいけないのです。

 

[ヴィブラートのための準備練習]

声を伸ばして、ことばをいってみましょう。

1)オーイ ハァーイ

2)ヤーイ エーイ

3)ラララーララー

4)イーチニィーノサァーン

5)マママーマーマー

 

しっかりとお腹から声を出して、やや早めにいってみましょう。

1)レロレロレロレロ

2)ラレラリラルラロ

3)ラレリロルレラロ

4)ランラララララン

5)タッタッタッンタンタタ

 

ドレミレドの音階で低いところから、半音ずつ高いところへ移行しましょう。

1)ガーゲーギーゴーグー

2)ゲーゲーゲーゲーゲー

3)ガーガーガーガーガー

4)ラーラーラーラーラー

5)アーオーイーアーオー

 

〇ことばの響きの統一

 

 響きに流れてことばが何を言っているのかよく聞きとれない。部分的にキンキン響いたり、かすれ声となる。このように、いくら声が響いても、ことばそのものが壊れてしまっては仕方ありません。

 高音で「アエイオウ」と言おうとすると、どうしても、ことばが流れがちになります。しかし、そこで、ことばを捉えなくてはならないのです。そのためには、喉が開いていて、深いところで声をキャッチしていることが必要なのです。この点では、一流の声楽家と一流のポピュラー・ヴォーカリストは共通しています。

 ことばを区別するより、ことばをつなげるトレーニングが優先します。自分のなかで最も、深く出しやすい母音を選び、そこから各音に展開したり、その逆を行ないます。さらに、その応用パターンを行なってみましょう。

 これは、できたら、メッサ・ディ・ヴォーチェ(弱-強-弱)で膨らませるように行なうと効果的です。徹底して低音で声のきっかけ(声たて)と息とのミックスをマスターした上で、中音域に入っていくことです。

 そこで問題なければ、中音域から高音域にかけて、これをトレーニングしてみます。芯がついた声に自然と頭声の響きがのっていくことで、感情表現に自在に対応できる声となってきます。

 声をとりにいく力は、声となったところで抜きます☆。決して、力で押しつけてはなりません。脱力によってのみ、胸声、頭声のバランスは自然に保たれ、理想的な声がそこで発見できるのです。一本、縦に線が通り、声が自由にそこを移動できる感覚です。その声のみ、確実に私たちがキープし、歌に自由自在に使えるものです。

 

[ことばをつなげるトレーニング]

(アを中心とする例)

アーイ アーウ アーエ アーオ

イーア ウーア エーア オーア

 

アーイーア アーウーア

アーエーア アーオーア

イーアーイ ウーアーウ

エーアーエ オーアーオ

(以下、イ、ウ、エ、オを中心にやってみましょう)

«「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.10

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