「日本人の一芸的仕事観」
ハシとナイフ、フォーク、スプーンとの違いは、何でしょう。それは、人の能力に頼るのと道具を使ってすますのとの違いです。それは、道と省労力、workとlaborの違いともいえます。トラヴァイユ (仏)は、拷問のための3つの柱トラバリウムに由来します。
日本人には当たり前の働くことが、西欧社会では労働は、罰や奴隷の仕事だったのです。
一神教は「旧約聖書」の「創世記」で「神は己の姿に似せて人間をつくり、他の生き物は人間に役立てるためにつくった」とあります。
科学より技術、結果よりプロセスが、日本人の大切にするところです。それは、蒸気船のように、人間以外のエネルギーで労力を得ようとする欧米人と、あくまで個人の技量をもって、竿で川船を漕ぐ日本人との違いです。ゼロ戦とグラマンとの違いです。
とはいえ、レジ係も座らない日本人の非効率性も、そのためかもしれません。
日本人は、食べるためでなく、美的目的で品種を改良してきました。鶏の東天紅は鳴き声、尾長鳥は尾の長さ、チャボは小さく、など、盆栽のように考えていったようです。アーティスティックな民族であったわけです。
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