「建築と日本人」
日本人の集団性、集団主義とでもいうのでしょうか、それが個人主義の欧米と対比されて語られてきました。
ただ、建築物や街づくりについては、少なくとも、明治以降は、個性的というか、周りとの調和意識は希薄です。
海外の街は、それぞれに独自の調和がありますが、日本の街は、バラバラです。建築については、景観を観光地として誇るところ以外では、自由奔放でごちゃごちゃです。
日本は、すぐれた建築家の多い国です。私は、独裁政権崩壊直後のルーマニアでブカレスト大学の学生が、日本の建築を学んでいるのに驚いたことを思い出します。
十坪くらいの土地で建築家に設計を依頼する人もいます。地権者の権利が強いのも、日本ならではのことです。
原宿から当スタジオのある代々木まで、外国人客が、個人住宅やビルを撮っています。インスタなどが盛んになるずっと前からそうだったのです。
日本は、石造りではなく木造住宅で建て替えが多いため、などというのは理由にならないでしょう。石造りやコンクリート造りの建築物さえ、すぐ壊して違うものに建て替えてしまいます。元々、新築が好きで、中古住宅のリノベーションなどは最近のことです。手入れして購入時より価値が上がることが少なかったせいもあるのでしょう。 [577]
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