「日本のグループサウンズ(GS)と夢と平和」
日本のグループサウンズが、なぜ、ビートルズのように残って長く聞かれることにならなかったのかを分析した本があります。それには、次のようなことが述べられています。
当時のウリは、エレキの歪みの暴力性、ハーモニー進行の変化、ベース(バス)の進行など。
タイガースなどは少年っぽい声で、日本のグループサウンズは、政治的メッセージではなく、夢をみるところでした。
つまり、GSは、メルヘンチックでファンタジック、キッチュ、かわいい、アンドロギュヌス性、大人ではないプリンスのイメージ、宝塚、ジャニーズ、タイガース、幼児的、まがいものであったのです。
まさに、クールジャパン、さながら今の音楽シーンのキィワードと同じです。
湯川れい子さんは、平尾昌晃の「ハートブレイク・ホテル」が、途中からは、「おさるのかごやだ、ほいさっさ」に聞こえる、悪いとは言っていませんが、「日本のナポリタン」という評価でした。それより、女の子の「キャー」という「解放と安全」に注目して欲しいと言いました。男の叫び声は、危険でろくなことがないことに比べてのことです。 [579]
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