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2013年7月31日 (水)

一声の力と総合力 V016

 歌も芝居も、演じるというのは総合力ですから、一声だけで勝負が決まらなくてもよいのです。しかし、一声だけで明らかに負けている場合はどうでしょう。長年、世界の声と比べてきた私には、ヴォイトレとは「まずは、その一声からの勝負を可能にする」ための
世界であったのです。それは、今の若いトレーナーは、あまり意識していないようです。歌を一声でなく、総合的なステージで見ているからです。
 海外ではそれはすでに前提として獲得されていますから、トレーナーは使い方をより、応用度を高めるテクニカルな方へ導くようになります。(特にポップスではそうなりがちです)日本も、歌手を目指す人が高音域が出ることばかりこだわるので、今では声のあて方のようなコツがメインになりつつあります。
 トレーナー本人はよくても本人に似たタイプしか教えられたことをコピーできていないのです。結局、本当に伝えられる声を目指す人は、私のところなどで、それなりの基礎となる発声、技術を伝えられるソプラノやテノールにつきます。高いレベルを目指すなら最初からその方が早いのです。本当の問題は多くの場合、そこではないからです。それをマスターしてプロになれるくらいなら、そういうトレーナーは活躍しているでしょう。

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