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2013年10月20日 (日)

声がよい人ほど気づかない弱点

 こういう仕事をしていると、とてもよい声をしているのに、なかなか仕事に活かせないとか、人に伝わるように声を使えない人に出会います。もともと声があるのに、今ひとつパッとしない人、さらに声を完璧にしようという人も、そのタイプが多いようです。「声がいいですね」と自他ともに認めるだけの声はあります。しかし、そのことが、その人の声で伝わる能力の妨げになっていることもあります。
 つまり、声のよい歌い手や役者が若くしてそれで評価されるため、そこから伸びないのと同じです。
 ビジネスでも、よい声や大きな声は出る人が、そこで逆に足を引っ張られていることがあります。つまり、声がいいといわれるほどに、声がいいことが目立って、伝わる度合いが少なくなっているのです。問題は、こういう人の大半がそのことに気づいていないことです。とても声がよいのに、伝わり度合いが人並み以下になっているのです。でも、そこに気づくことで、こういう人は声を本当に強力な武器にできます。

 これは、下手なオペラ歌手より、生声で一生懸命歌う、アイドルの方が伝わるのと似ています。声のよしあしと、声の伝わる度合いは必ずしも一致しないのです。気持ちがのって話がはずみ、お互いが充実した会話ができなければ、声が伝わることにはならないのです。つまり、声のよしあし、声の大小は、声を出す側の事情にすぎません。どんな声でも、それを知り尽くして、使い切っている人の方が有利なのです。

 話は受けとる側との協力で成り立ちます。スピーチがうまいのにパーティでは壁の花、会議では、リーダーシップを発揮するのに、打ち上げの席では、誰にも話しかけられないー というようなことに思いあたる人は気づいてください。
 あなたの声は伝わっていないのです。
 カラオケで感動することが少ないのは、歌う人の一方的な歌唱だからです。アマチュアではうまい人ほど、場から浮きます。プロは聞く人に伝わる、一体感を与え、その時間を満ち足りた場にするのです。さて、あなたの声はそれに充分に耐えているのでしょうか。

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