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2013年11月10日 (日)

間違えておく V116

ヴォーカルの鬼門は、歌詞を忘れることです。一週間前くらいまで歌詞を見て歌い、当日近くに覚えたつもりのまま出ていくのが、よくある失敗するケースです。これは、「忘れるという失敗」を練習のプロセスで経験していないからです。間違えるのも練習です。
 レッスンのときに、よく言うのは、形だけで覚えたつもりにならないことです。暗誦して再現するという形だけでは伝わらないということもあります。実際は形だけしか聞かない客も多いのですから、形があればもつのですが。でも、そこで一つ崩れると総崩れとなるリスクを避けたいからです。
 歌をマスターするというのは、歌詞を覚えることではありません。「メロディを正しくとって、そこに正しく歌詞のことばを一つ付けていけば完成する」、そういう教わり方をするのはよくありません。
 一言でいうのなら、必ず自分なりに再構築、リストラクチャリングをするのです。歌でなく、歌で伝えたいことをリアルに捉え、仮に歌詞が出てこなくても、同じことを伝えられることばに、すっと変えるくらいに実を捉えておくことです。

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