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2013年12月 7日 (土)

「同時に」ということ V143

 基礎―応用、部分―全体、それにもう一つ加えるなら、同時に、ということです。
 私は初めて本を書いたあとに、こんなふうになるのかとため息をつきました。当時の私のレッスンは総合的なものでした。声を出すのをみると、普通のトレーナーなら次々にメニュをくり出すのでしょうが、私は飽きるほど程度にくり返します。ひたすら本人の自覚を促し、感覚とその修正能力をチェックします。2回目、3回目も、本人のメニュは進まず、本人がシンプルなメニュにどう取り組んでいけるのか、そこでいろんな声や声の当たり方(共鳴)、変化(声量、声域など)を実感していくことを黙ってみています。
 つまり、現状のより厳しい精密な把握と本質(中心)へのアプローチ、その共有化がレッスンでの中心です。
 あとは、レッスンの時間でなく、トレーニングの期間として、心身の状態が条件的に高まっていくのを待つしかありません。つまり、基準と材料を与えて、本人にシェークさせていたわけです。
 始めから1,2,3,4と順番に与えていくことがよいものと、一遍にやらなくてはいけないものは明瞭に区別すべきなのです。私は、同時、瞬時、全体的に与えるべきだと思っています。ですから混沌として何かが起こりえるかもしれない“場”の設定にこだわるのです。

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