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2014年1月 7日 (火)

対話と会話 V174

 「日本には会話しかなく対話がない」、と言われてきました。対話とは、第三者を念頭においた対談を考えるとわかりやすいのでしょう。1対1で話していても、それがその2人の中で完結するものでなく、他の人が聞いてわかる、つまり、映画の冒頭の出会いのシーンのように、観客がいても、そこへの説明が同時に確立しているようなもののことです。簡単にいうと素性を知らないもの同士の話のスタイルです。
 私はワークショップでは、1対多で、そのなかの一人の相手に語りかけるようにしています。そのときに、常にその人だけでなく、その人を通して他の人に伝えようとしています。これは対話です。
 時間的制約があるのと、1回きりのケースなどでは、初対面で何の事情も知らない相手の前で進行しなくてはいけないからです。むしろ、全員に語りかけても伝わりにくいことを、伝わりやすくするため、もっとも適切と思われる候補を選んで、その人をだしに進めていくという方が本当のところでしょう。
 このように1対多では成り立たせなくてはいけないことが、1対1でもそうなっているのかというのをみると、それが会話か対話かわかります。親しすぎるなかでは、多くのことが省かれて会話となります。

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