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2014年3月 9日 (日)

現実への対処 [論8-6]

せりふ劇、アングラ、不条理劇が衰え、ミュージカルが全盛になってきたのも、歌においては声の力を客が求めなくなってきたことと関係があると思います。アジアの歌がカラオケの導入で、アマチュア化したのと同じで、世界の歌も口先になる日が来るかもしれません。その先進国は日本であり、ヴィジュアルが中心なのです。
 とはいえ、現実のトレーニングは、今の時代の今の人と行うのです。トレーナーとしては、こういう状況を将来にわたってみた上で、変わるもの、変わらないものを知っておく必要があります。そして、自分の理想と現実的な対処と二つを確立しておくことが大切です。どちらが欠けてもよいトレーニングではありません。
 私もそうでしたが、若いと自分の理想に偏りがちです。その理想が共通でない人は、引き受けない、というのは良心的な立場です。ただ、今の仕事は、ここにいらした人の目的に対して、最良の選択ができるように手伝うことです。目的を具体化するには、発声の問題だけを考えても本当は無理なのです。

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