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2014年5月 5日 (月)

声から+αのプロセス V227

ヴォイトレというのですから、それは声を学ぶトレーニングです。
 私は当初、声だけ取り出して、「ハイ」など声の1フレーズだけを価値づけていくレッスンを主眼にしていました。しかし、本が出てから一般の人が来るようになって、方針を変えざるをえなくなってきました。プロと行なっていたときには、プロは歌えるし、場があるので、まさに声の力だけを求めてきていたのです。それゆえ、レッスンはとてもシンプルでした。
 当初は力のある人が来ていたのに、プロダクションが絡むにつれ、段々と中心がデビュー前の人とか、歌手に転向したモデルさんとか、有名女優の二世さんとかになりました。そして、カラオケの先生のような、デビュー前の仕上げという仕事になってきました。声そのものにアプローチできなくなってきていたのです。そこで、一般からプロを目指す人とじっくりと行う研究所をつくったのです。
 当初は、素人といってもやる気があり、目標があり、実績もある人が来ていたので、声とその応用であるフレーズだけが課題でした。「ハイ」という声とカンツォーネなどの大曲のサビの「4~8フレーズ」の応用、その2つの精度を高めていくことが中心です。プロになるためにもっとも大切なものだけの、シンプルな割に本質的なレッスンだと今でも思っています。
 さらにグループなど他の人の声やフレーズを比べつつ、一流の歌手の歌唱フレーズから吸収しては、作品化していくことをフレーズ単位で行いました。うまい歌でなく、自らのオリジナルのフレーズをデッサンさせる実習を加えていったのです。
 方針が変わらざるをえなかったのは、そのことよりも音程やリズムなど、音楽や歌そのものに慣れていない人が増えてきた頃からです。それを補強するためのトレーナーも採用するなど、トータル化していくプロセスを取らざるをえなかったからです。来る人によって、よくも悪くも場は変わるのです。

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