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2014年7月27日 (日)

地ならしをする  V310

何回か「バカの壁」に触れましたが、壁の内側にいると、外側は、その存在さえわからないのです。
 声は、レッスンの中でもトレーニングの中でも、常に、ではありませんが、あるとき次元が変わります。パラダイムが組み変わるのです。レッスンはそのためにあり、トレーナーもそのためにいるとさえ言えるのです。
 ただ、「そういう瞬間、そのうちのいくつかは偶然の産物で、その奇跡を待て」というのでは、モチベーションが保てない人もいるでしょう。そこで、その場とその時間をトレーナーのもとで、共有して底上げしていきます。少しずつ、感覚や体の条件を鍛練しては丁寧に整えて、その一瞬を起こせるように、気づけるように、整地、地ならしをしているわけです。
 ことばも、鍛練なくして整えたところで、その瞬間というのは望めません。精度として10分の1くらいに整えていても、1000分の1レベルで整わなくては、といったところです。
 鍛練といっても鍛えようなどと無茶をすると、バランスが壊れ乱れます。今までより悪く、10分の1も整わなくなります。それが自滅なのか、100分の1へ行くための遠回りなのか、それを見分けることが肝心です。そこにとどまって厳しく判断します。それは決して慣れあいのレッスンでは生じません。器を大きくしていくのに、自らの外を固めてしまっては内なる限界は破れないのです。

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