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2014年8月30日 (土)

器用でなくす V344

 そこは頭でなく身体の能力で行くところなのです。ゾーンとか言われるところ、いわゆるエクスタシー状態、つまり、マラソンハイのようなものです。密教の密儀ですかね。一流の選手だけでなくても、誰でも努力しだいで到達できると信じたいものですが。
 「才能論」は引っ込めて、ということです。天才、才能、素質などと言うとトレーニングが成り立たなくなります。才能と勘違いされるものの多くは、器用さにすぎません。素早さにすぎないこともあります。
 私が100かけて、やっとできたことを、20やって、すぐにできる人がいる。100とは年月でも量でも努力でもいい。人よりたくさんやれば必ずできるというなら、遅くなったり、手間ヒマがかかるだけで、いつかは時間で追いつける。
 プロとのレッスンでみているのは、その20やって同じことができた器用な人が、私と同じくらいに100やったらどこまでできるかということです。必ずしも私の5倍のものにはなりません。私が、次に200やっていくところまでに、その人は100どころか50さえやっていけないかもしれません。
 早く短い期間でできるのは、器用という才能です。才能の一つの要素に過ぎません。人生は限られているので、遅いし時間がかかると、早熟な人の円熟期のレベルにも、なかなか到達できないものです。スポーツなどでは、器用貧乏などといっても20代後半くらいには、芽が出ていないと、もう体力的な限界に近い挑戦になってしまうでしょう。芸事は、その点では恵まれているのです。

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