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2015年3月 8日 (日)

声量で伝わるというのは、勘違い

声量がある人を見ると、誰しも「声量さえあれば…」と思うようです。日頃から大きな声を出している人は、声量が豊かであることは確かです。しかし、それがそのまま生かされないところが声の難しさなのです。
 つまり、人が声を聴いてパワーを感じるのは、声の大きさそのものではなく、受け手の感覚によるものです。声量そのものよりも、声の出方の鋭さや声質、声の変化と考えてください。
 たとえば、声量が60~80の幅でしか変化しない人より、20~70の広い幅で使い分けている人の方が声はインパクトをもって聞こえるのです。この場合、前者の80の声よりも、後者の70の声の方がずっと大きく聞こえます。
 人間の感覚はものごとを相対的な変化でとらえます。最初は大音量にびっくりしても、慣れてくると、そのうち飽きてきます。目一杯大きいと、一本調子になるからです。しまいにはうるさくなって拒絶反応が起きます。
 それに対し、小さい音量から徐々に大きくなっていくと感情が盛り上げられ、高揚します。
 ですから声を大きく出そうとするなら、とても小さいところから使ってください。しっかりとコントロールできていて、乱れない声が出せるようになれば、それだけでもずいぶんと伝わり方が変わるものです。こういう声の効果的な出し方を、考えてみてください。

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