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2015年5月20日 (水)

今日のメッセージ[ヴォイストレーナーの選び方]

○先に与えない

 一般の人や一流に接している人にトレーナーは、本質に至るための邪魔をとる、それでよいのです。それが理想的なのです。「語らず教えず」でよいのです。
 それでは、生徒はわからないというので、やさしい先生は教えだします。「私の通りに」とか、「こういうふうに」と、生徒が欲しているならまだましです。欲していないのに先に与える、つまり、教えたいから教えているのが、今の風潮です。ただ、教える人が、教えているという充実感、満足に囚われるのです。
 トレーナーが、一つ先に早く行けても、そこから三つくらい先にさえ行けないようなプロセスにしてしまうのです。一つ先に行けたのがすべてとなって、それが百歩の中の一歩とも気づかなくなるからです。
 昔から師に可愛がられ、早くいろんな技を教えてもらい、早く師のようなまねができるようになった人は、およそ大成しないものです。それは、プロセスをまねただけで、プロセスで気づいて体得していくものを得ていないからです。形はつくけど実はない。丸暗記で覚え、正しく言えるけれども内容は伝わらないのと同じです。
 師が可愛がり教えて、結果、潰してしまう。師の形でしかできなくしてしまうのは、大きな誤りです。が、それを後継者とする、他で通じなくしてしまうからこそ、成り立ち、形として続く家元制もたくさんあるのです。皮肉です。

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