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2015年7月 2日 (木)

今日のメッセージ[ヴォイストレーナーの選び方]

○「正しい」の抹消

ピアニストはミスタッチはしないでしょうが、歌はプロでもけっこう間違えます。歌詞なども間違えることはあります。しかし、それで歌はだめにならないのです。(そこからだめになることもありますが…)
発声を正しくしたら歌唱力がつくと思う人がいます。しかし、1,2割はよくなっても、さして変わらないはずです。なぜなら、歌唱力とは、説得力のようなもので、発声とは異なる次元の力だからです。「正しい」―「正しくない」の軸と、「伝わる」―「伝わらない」とかの軸は、いわば次元が違うのです。
なかには、ヴォイトレを表現力、歌唱力から切り離して教わる人もいます。しかし、体や呼吸だけになると、なおさら「正しい」―「正しくない」はわかりにくくなるのです。表現の必要に耐えうるか、その必要の程度は、表現やその人によって違うのです。つまり、程度の問題です。ですから、トレーニングでは、大きめに余力までつけておくとよいのです。
ともかくも、「正しい」のを目指し、「正しくない」のはよくないから「正しくない」ようにしない、ではだめです。なのに、間違いを捜して正すことが、レッスンになっているケースが、まじめで熱心な人や先生ほど多いのです。
教わっても、それを守らないという学び方もあるので、全てを否定しませんが、(そこが私のよいところでありますが)常識やルールを外れるのが、アーティストでしょう。ただ、ルールを破るのでなく、創り上げることで「正しい」などを消滅させるパワーがいるのです。

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