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2015年8月26日 (水)

歌舞伎役者の声について考える

歌舞伎についての録画やドキュメントで感じた声の面について書いてみようと思います。歌舞伎というと素人でもあの独特な声の出し方や口上の述べ方はイメージがつくと思います。しかし歌舞伎役者というのはあの声の出し方は習うことがないといいます。先人達を真似たり先輩方を聞いて覚えるそうです。ある映像でも「もっと声を大きく」とか「聞こえない」といったダメだしは見ますが、出し方の発声的なアドバイスはありませんでした。これと似た様な体験があります。
イタリアオペラの巨匠レナート・パルンボ氏のレッスンは、彼がピアノを弾き発声から直されます。しかし彼は声楽家ではありません。指揮者です。でも彼の声はとても素晴らしい声でした。NHK交響楽団でオペラの指揮を振ることが多いネッロ・サンティという巨匠も仕事でご一緒したときに素晴らしい声でした。パルンボに私は直接こう聞きました。「なぜ指揮者なのに貴方の声は素晴らしいのですか?ジラーレの技術も完璧に聞こえるが習ったのですか」と。そうするとパルンボは答えました。「これがオペラの伝統であり、私は歌手ではないがたくさんの偉大な歌手達と競演してきたから」。
歌舞伎も同じことかもしれません。ことこまかく手取り足取りのレッスンというは伝統芸能ではないのかもしれません。学び、盗むことが本当の芸なのかもしれませんね。でも松本幸四郎のミュージカル「ラマンチャの男」の歌は本職のミュージカル俳優のような見事な歌です。テノール、ソプラノのような超人的な高音は別としてもまずしっかりと声をだすという観点では歌舞伎もオペラも変わらないのかもしれません。(♭Σ)

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