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2016年1月 1日 (金)

これまでの習慣

「声が変です。上ずっています。思うように声が出ないのです。」という方。いつものように呼吸の練習をしてみますと、なぜそうなるのか、一目瞭然でした。胸式呼吸で発声しているのです。胸式呼吸ですと声は腹筋で支えられていませんから当然上ずってしまいます。お腹にぐっと力を入れて、スーッと息を吐いてみます。吐き終わったら、吐いて凹んだお腹を元に戻してみます。これをひとしきりやりましたが、なかなか身体は思うようについていってくれません。
次にリップロールをしてみました。これも、息が浅いと唇は振動してくれません。やはり難しいようでした。
そしていよいよ発声。聴いてみると、細くて芯がなく、風のようにさらっと吹き飛んでしまいそうな声でした。
「あ~ご本人が悩んでいるのはこのことなんだろうな」
とわかりました。
発声すると息が漏れる、ボリュームを出そうとすると、掘り下げて吠えるように声を出す、顎が硬く、口の中が狭い状態でした。これまでその場所を使って発声してきたわけですから、その場所ではないところを指摘されても、身体はなかなかその場所を覚えてくれないものです。
口を大きく、と言われても、大きく開けるだけの筋肉が備わっていなければしんどいのは当然ですね。
これらすべてを一旦捨てて、新しいところを覚えなくてはなりません。発声もスポーツと同じように筋肉で覚えていきます。練習を重ねるうちに徐々に徐々に身についていきますが、始めのうちは、何が正しくて、何がいけないのか、今自分がどんな声を出したから直されて、次にどんな声を出したから楽にきれいに出せたのか、全く分からない状態だと思います。
ですから私はどの方にもお奨めするのですが、レッスンを録音すること、これが一番の近道です。わからないところだらけで終わってしまうレッスンも、あとで落ち着いて改めて聴いてみると、分かることもたくさんあります。
これまでの習慣を一度手放すことはとても勇気がいることですし、時間もかかることですが、続ければ必ず自分のものになりますので、諦めず取り組んでいってほしいなと思います。(♯Å)

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