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2016年10月19日 (水)

無理が必要な場合もある

トレーナーとしての立場を考えるなら無理な発声のトレーニングはやらせることはできません。しかし歌い手の自分は時には必要だと考えています。自分の経験としてイタリアにいってレッスンを毎日受講していると時には声がカスカスになることがあります。私のイタリアの先生は、できない生徒にはかなり怒鳴ります。しかしできるまで付き合ってくれます。壁にかかとと背中、後頭部をつけて真っ直ぐ立ち先生に顎を抑えられながらの発声練習。
先生がbene(いいよ)と言うまで延々と続きます。最後には声がなくなるのですが不思議なことに翌日にはまた出るのです。そして同じことの繰り返し。sul fiato(息の上に声をのせて)、spinto(押せ)、appoggia(支えろ)みたいなことを言われながらひたすらついていくのですがこうやって伝説的な歌手達が誕生してきたのだと思うと無理を超えたところに本当の芸の声があるのだろうなと思ってしまいます。無理をさせることが絶対的に正しいとは思いませんし無理をしたから必ずすごい歌手が誕生するとは思いません。でも、この中からしか生まれてこない歌手がいるのだろうなというのはなんとなく理解できるのです。(♭Σ)

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