「天職」斎藤孝さん
現在人気のある画家たちには、「画風」と呼ぶべき一貫した空気がある。セザンヌはこれを「気質」と呼んだ。
≪自然から精神を引きだし、われわれに固有の気質に従って自分を表現することに努めましょう≫(前出セザンヌの手紙)
「固有の気質に従って自分を表現する」ことが成功したとき、初めて芸術作品は誕生する。近代絵画とは言い換えれば、「気質の表現」ともいえる。≪人を、その到達すべき目標にまで連れて行くことの出来るのは、ただ根本の力、即ち、気質だけである≫(アンリ・ぺリュショ『セザンヌ』)セザンヌは自分の気質を知り、「天職」を見つけた。
マンガの『ゴルゴ13』。著者は「さいとうたかを」となっているが、本人も明言している通り、「さいとう・プロダクション」というチームでの創作だ。本人はプロデューサーに徹し、ストーリー担当から武器描写専門まで分業体制を取っている。「マンガ家」というポジションから、「プロデューサー」というアイデンティティに自分をずらす。さいとうたかをさんは、「天職」を発見し、『ゴルゴ13』は単行本140巻を超える大シリーズになったのである。
「天職」は、自分がどうのという話ではない。自分はこの社会のどのポジションにはまるか、そう考えてみる。
自分の気質に合う仕事ではなく、あいそうなポジションに自分をはめる。
-画風、気質、ポジション、この3つを捉えましょう。(F)
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