「日本人の幻想」(1)鈴木孝夫さん
これに比べて日本人の人物評価は、まさにこれとは正反対で、「人格丸ごと型」の判断が普通です。ある人が立派な仕事をしていても、それと直接関係ないことで大失態を演じた場合には、「百日の説法屁一つ」で社会的に葬られてしまいます。また逆に、オリンピックでメダルを取ったりすると、一気にその人のあらゆる点が優れているような話になったりするのです。大学などで、優れた研究者ではあるが事務能力のまったくない大先生を、しばしば学部長や学長に選んだりするのもまったく同じ理屈です。
つまり日本では、「よく一芸に秀でるものは諸芸に通ず」的な人間評価が普通なのです。しかも人格分割ができないどころか、日本ではある一人の個人を、その人の家族や所属する組織からも完全に分離独立したものと認めることが難しいようい思います。
―レッテル張りで一分野で秀でた人しか評価せず、一つの悪評で全てをだめにみてしまう日本人の人の見方、考え方。(F)
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