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ヴォイトレレッスンの日々

25.ブレスヴォイストレーニング研究所とトレーナー

2022年6月24日 (金)

Q.なぜ、いろんなメニュがトレーナーごとに違うほどにあるのですか。

A.ありとあらゆるメニュがありますが、その大半は私は知っています。そのなかには、日常の健康改善に役立つ、その結果、声もよくなるのも少なくありません。メニュや方法として間違いとはいえないが、特別なものでもないレベルのが大半です。

 メニュからトレーナーのタイプ、得意不得意や経歴、日常生活、活動などもおよそわかります。それに対して、あなたが自分自身のものとして、使えるようにしていくのです。メニュをただ与えられるのでなく、その使い方、つくり方を必要に応じて与えられていますか。あなたがそれを使えるようにしていますか。

2022年6月14日 (火)

Q.教えても効果の出ない人はいますか。

A.私のところでは、トレーナーは教えるというよりは、サポートする、支える役割と考えています。効果というのを具体的に目的として掲げていくことにも慎重です。

あまり教えようとか何とかして効果を出そうと考えると、目先に走りがちになるからです。周りの人がちょっとよくなったり、あまりよくならない人がいたりというのは、効果というほどのものでもないように思います。すぐに効果は出なくても、何かが変わっていけばよいからです。普通の人のレベルに足らない人を普通よりも上げるのと、普通の人のレベルの人をトップレベルにするのとは、違うことです。

2019年6月24日 (月)

Q.たくさんの先生だと混乱しませんか。

A.短期的に混乱することもありますが、ヴォイトレは相互に関係しあっています。先生方も自分のやり方だけに固執せず、疑問をもちながらやる方がよいこともあると思います。

Q.レッスンのやり方が生徒に合わない場合、どうするのですか。

A.レッスン内容を変えるのか、先生を変えるのか、その生徒の考えを変えます。

2017年6月12日 (月)

Q.オペラ歌手に向いているのどとは。☆

 

A.別の面から話をしましょう。

 

 欧米のバイオリンという楽器は、実に多くのすぐれた演奏家や技術者(製作者)によって、高度に完成されてきました。家が買えるほどの高価なストラリバリウスの音を、「今の技術者でも超えることはできない」ともいうし、性能を比較すると、他のバイオリンと差がないというデータもあります。年月が楽器を育てたのか、その名声が名演奏家を惹きつけ、伝説となったのか、知るよしもありません。

 

ともかく、そういう伝説の名器は別にして、私たちが買うくらいのバイオリンについては、およそ高価なものは、そうでないものよりもよいといえます。つまり、理想の形、素材があり、バイオリンだけで評価できるということです。これは声楽家という持って生まれたのどと体ということになります(もちろん、その管理の仕方、育て方が入ります)。10倍の価格を出してでも、1パーセントの質を向上させたいと思うかどうかは、その人の立場にもよるでしょう。

 

 a.元々の楽器=のどを中心とした体

 b.使い込み、手入れ、今までの歴史、経年変化=育ち、育て方(スキル)

 c.今の使い方=テクニック(♭)

 

Q.近年、ヴォイトレで大きく変わったのは。

A.この20年くらいでは、

・声区(レジスター)と胸声、頭声の関係、音色は胸や頭(腔)での共鳴であるといわれていたことの否定、仮声帯で裏声を出すのでないことなど

・ミックスヴォイスほか、いろんな声の分類の細分化

・声帯の振動、発声、共鳴の可視化

・裏声、ファルセット(フルート)、地声、表声などにおける、男性、女性での定義の混乱

 

私は具体的な現場(特定の相手とのレッスン)を離れたところの論争に加わるつもりはありませんが、尋ねられることが多いので、いろんな立場の人の意見や理論を知って、混乱している人の頭を整理させることはできるようにしています。

それは、私のレッスンのためでなく、あくまで今の立場にいるために、問われることに答えるという責任においてです。私があまり興味もない、本や番組でも、声についてはコレクションしているのと同じ理由です。(♭)

2017年6月11日 (日)

Q.科学的トレーニングとマエストロのレッスンについて、どう考えられていますか。

A.声については、私の研究所でさえ、声紋分析の器材を使っている今、ここ20年の音声科学の発展はほとんど天文学や物理学、医学でいうと、天体望遠鏡や顕微鏡が出てきて、現実に目で確認できるようになったくらいの革新的なものといえるでしょう。

 書籍でも、生理学から、音声学、音響学まで、詳しくわかりやすく、よいものが出てきて誰でも学べるようになりました。一方で、自分の若い頃、つまり、半世紀前ほどの勉強のままに指導法を継承しているマエストロ的なトレーナーもいるわけです。

私の立場は、新しい発見や学説は絶えず学び続けますが、それが実際の結果や効果をもたらすまでは、試しに直観的に使うことはあっても、メインにすることはありません。一時的な成果でみるのでなく、長期的に複数の事例の結果でみるには、何年も要するのですから、あまりジタバタすることではありません。ですから、若いトレーナーや指導をはじめて4、5年くらいの人の結果をそのまま信じたりもしません。つまり、新しく出た理論やマエストロらの言っていることと、今、受けているレッスンや自分のトレーニングしてきた本やトレーナーの言うことが違っていても、迷うことはないと思っています。(♭)

2017年6月 9日 (金)

Q.歌と声の判断の仕方を教えてください。

A.私は、多くのポップスのシンガーに接しているので、共鳴やシャウトの中にも、一つの芯(あるいは線)を捉えるような感覚で判断しています。デッサンの線をひものようによじって細く鋭くしつつ、ハスキーやため息のように、解くことも許容するのです。この絞り込みの程度もまた、まとめるのと同じく、ヴォーカルの裁量に任されています。要は、センスということになります。

声楽家の判断は、アカペラを前提とした歌唱ですから、共鳴や声量、特にハイトーンでの焦点化(ベルカント的なものとして)の条件の上に問われます。しかし、ポップスは、マイクでの音響加工をも含めて、何でもありです。オペラの条件の声量、声域、共鳴を絶対としないのです。

それゆえ、何をもって判断するのかは、声楽家、合唱団、ハモネプ、ミュージカルの方と異なり、複雑なもの、あるいは聞く人の好き嫌いや気分に大きく左右されます。言語と同じく歌われる風土(国、民族など)によっても好まれるものは異なってきます。とはいえ、私はアドバイスを求められる立場ですから、好嫌でなく、秀劣において明確な基準をもって判断しなくてはなりません。そこで徹底して、どういう立場においても判断するかスタンスを深めます。(♭)

2017年6月 8日 (木)

Q.J-POPを声のサンプリングにしないのですか。

A.私は練習曲に、外国曲や演歌、歌謡曲まで使わせていますが、今のJ-POPの曲を声のベースづくりとしては使っていません。

歌が詞と曲と声の総合的な組み合わせの妙で成立しているJ-POPの曲は、手本や見本にしにくいということです。曲、詞、歌唱それぞれ独立してみたところでの完結性や完成度がないということかもしれません。

ヴォイトレは声そのものの技術、完成度を求めていきます。しかし、シンガーソングライターなら表現から入っていくので、トータルでの完成度となります。声、そのものの正解というものがないともいえます。むしろ、そのアーティストのもつ生来の声や音色、フレーズのくせを生かしたように曲がつくられているので、他の個性をその曲で発揮するのは難しいのです。つまり、そのアーティストのようなくせで歌わないと歌が成立しにくいというところまで、歌だけの完成度がなく、歌い手の作品としての完成度があるということです。

これは私がJ-POPを評価していないのではなく、むしろ「真のオリジナリティとは、そのアーティスト以外がそれをやると間違いになってしまう」という持論からすると、これほどの強いオリジナリティの作品はないのです。それゆえ、基本の発声やその人のオリジナリティをみつけ育てるヴォイトレは使いにくいわけです。

体からのしぜんな声、発声原理にそって最大限、声の可能性を追求しようというヴォイトレでは、たとえば共鳴での技術は、声楽=クラシック=オペラに一つの範をとることができます。その下位に発声があります。そこからヴォイストレーニングを考えるとわかりやすいわけです。(♭)

Q.お坊さんの声について、どう思いますか。☆

A.私は日本で唯一、声づくりがしぜんにうまくいっているともいえるお坊さんを見る度に、高い声や発音や音階、リズム、歌詞、共鳴などに関わる前に、自分のもっとも出せる音の高さ、発音、共鳴で自分の呼吸に合わせて声を出して、しぜんに使えるだけの声にする期間が必要だと思っています。私の日常レベルでの声は、1020年かかり、外国人に認められるようになりました。京都や九州のお坊さんに認められたのも、嬉しかったです。

そういうシンプルな基準、ヴォイトレをしっかりしていくと、誰にでもわかるくらいに声が変わるというヴォイトレが、日本ではまだまだ行なわれていません。欧米では、先述したように、あまりその必要性はありません。今、私が述べてきたようなことが全く考えられていないことに、まだまだこれから、多くのやるべきことがあると思っています。ここしばらくは、能や邦楽、読経・声明の人などと、日本人の声を追求していこうと思って動いています。(♭)

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