Q164.舌のことはどのくらい発声に影響するか。
質問続き>> 専門学校で習っているときから、「舌が奥に引っ込んでいて発声の妨げになる」といわれていました。特に「オ」などは舌の奥が上に上がってしまうため、よく注意されます。かろうじて「エ」は舌が平らになるのですが、他の発音は、舌が上がってきてしまうのを無理やり、ぺちゃんこにしようとして、いつまでも直りません。舌に力を入れないのを実践するのに、一番よい方法というのはあるでしょうか。舌が平らになることとならないことで、発声にどのような影響があるのかを知りたいです。
A.舌根が上がるのは、発声時に余計な力が入ってしまうためです。実際には、舌だけでなく、周辺のどの部分にも力が入っています。のどが絞まり、声のこもりや固さにつながります。体で声を支えられるようになることで、しぜんに解決します。最初は、力を抜くといってもうまくいかないものです。体が強くなり、息と声が結びついてくると、発声のときに力を抜くという感覚がわかってきます。まず、強い体作りのために、息吐きのトレーニングを毎日欠かさず行なってください。体力作りには時間をかけることです。
部分的なチェックは、自分を知るためには大切なことです。しかし、深い息と声がつながらないところで、舌の力だけを抜こうとしても、却って首から上に力を入れてしまうことになりかねません。部分的な矯正よりも、全身で声を出すという感覚を体に入れていくことを優先します。最初はうまくいかなくてもよいですから、意識はおへその下あたりに持っていきましょう。首から上がなく、お腹から直接声にするようなイメージをしっかりと持つようにしてください。イメージすることはとても重要です。
また、力を抜いて全身を柔らかく保つため、ストレッチを習慣にしてください。舌のストレッチとしては、舌を思い切り前に出したり引っ込めたりしてみましょう。舌根が上がるのを直すためではなく、スポーツのウォーミングアップと同じです。舌だけでなく、全身をよくほぐすようにしてください。舌の運動については、どの本にも載っています。
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