Q1373.のどの奥を開いて、そこを通る息まではわかりましたが、のどの奥で息が渦巻いているというのはどういうことなのでしょうか。
A.息を上あごの上に含んで回すように"イメージ"する事で、無駄な息を漏らさないようにセーブする効果があります。実際に息が渦を巻くように回ることは、ありえません。だから、無駄に息を漏らさないひとつのイメージ方法です。確かに腹筋を鍛えて横隔膜を故意的に強く活用するトレーニングによって、ある程度強い声や響きを得る事は可能です。もちろんそのようなプロの役者さん、歌手は多いです。ただ、それによって年をとるのと比例して声を失った人はたくさんいます。さらに、腹筋を固めて強い声を得た人は、繊細な表現をする事が苦手で、強い声を駆使した表現に頼りがちになります。
強力な筋力に頼った声の出し方と、体の機能を効率よくつかった声の出し方で、難しいのは後者の方かもしれません。何故なら、体の機能を自然に使って自由な声を育てるには、自分の目で確認できない認識しにくい細かい体の各部に敏感になる事の必要があり、針の糸を通すに近い作業です。ただ、それを獲得するとあとは少しだけ下腹、背中、肋骨の下の使い方を覚えるだけでどんどん声は育っていきます。声楽の世界では、本当に一流の人は力ずくではありません。ですから、最初のうちは、イメージを凄く大事にしていきたいと思っています。(♭∀)
« Q1371.あごの奥の方がひらくように口をできるだけ大きくあけてみると同時に、肋骨のまわりを外に広げて声を出したら、耳のまわりが響くような感覚が得られて、また、一瞬だけ胸のあたりがピリピリと振動するような感覚も得られたのですが、これは発声が良い方向に向かっていると考えて良いのでしょうか? | トップページ | Q1374.好きなアーティストの曲を練習していると真似になってしまいがちです。どのようなことを参考にしたらよいでしょうか。 »