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2008年10月31日 (金)

Q1576.発声法とは何のためにあるのでしょうか。

A.音楽表現を豊かにするためにあります。美声を聴かせて「どうだ!いい声だろう!」というアピールのためにあるわけではありません。表現によっては下の腹に渇を入れるようにして力で出すときもあって良いし、柔らかい表現をしたい場合は脱力してバランスで歌うことも大切です。舞台に立つときは、表現者であってほしいものです。舞台の上で「発声研究家」を見せない方が良いでしょう。ポピュラーの場合はなおさらです。

 超のつく一流の歌手というのは、みなオリジナリティがあります。かつてルチアーノ・パヴァロッティもインタヴューで言っていましたが、アカデミックな教育を真面目にこなしただけのクローン歌手が声楽界ではとても多いようです。発声という枠の話で、オリジナリティとはどうやって生まれるかというと、先生に言われたことをそのまま真面目に行うだけでなく、自分の持っているマテリアルを生かすにはどうやったらいいのかというのを常に考えて実験することです。ただし、自己満足にならないためには、しっかり判断が出来るトレーナーの前で試して、明らかに違うと言われたらその方向性を消去していく、または言いといわれたらとりいれていく、ということが大切です。とにかく、積極性は絶対に必要な条件です。(♭∀)

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