Q1522.声を上げたり前に出すのが苦手です。
A.世の中には、一つの力が成り立つためには実は反対の力が重要である、という力の関係が多いものです。たとえば、私がレッスン内でよく例にあげるのが、エレベーターです。エレベーターが階を上がるためには、重りは下に下がり、下の階に行くためには重りは逆に上に上がりますね。楽器である体も同じです。音が上行するためには、体の中の重心や音の出発点は下がっていき、音が下行するためには上行するように体を使い、体の動きを怠けないこと。
それから、レッスンで音を前に、前に、と言われることが多いかもしれませんが、前に出すために前にだけ出せばいいものではありません。より前に出すためには、後ろへの引きが大切なのです。声楽においては、それが声帯を閉じて、より多くの響きを生み出すことであります。トレーナーの指示がわからなくなったとき、事の本質はどこにあるのか、ふと考えてみてください。(♯Θ)
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