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2011年4月17日 (日)

Q3373.レベルが上がると、調子の波はなくなるものでしょうか。

A.私も昔は、すばらしい声の使い手は発声の筋肉が育っているためにどのような状況でも一定水準以上の声をいかなるときでも出せるものだと思っていました。つまり、上級になると調子の悪い日などはほとんどなくなるのではと思っていました。しかし、いろいろなすばらしい声のプロと接することができた経験上感じたのは、どのようなレベルに達しても、水準を保てなくなるくらい調子の悪い状態には陥ることがある、という事実です。
ヴァイオリニストのことを考えればわかりやすいかもしれませんが、どんな一流の演奏家でも、弦が緩んでいたらよい音を出すことは無理です。弦が緩んでいるのに自分のフォーム、ボーイングの押しが足りないのではないか、弓の引きがたりないのではないか、と四苦八苦したところでよい音はでないという事実があります。
声に置き換えると、声帯がうまく扱えていない状態で、呼吸のことやフィジカルな力をどんなに探っても、声が出ないときは出ません。
ここで大事になってくることは、一流の声の使い手は、声のことをよく理解しているということです。声帯がうまく扱えていないとわかったときには、お腹を固めてみたり、フォームをいろいろといじってみたりということをして声が出る方向へは持っていきません。声帯がうまく働くようにするエクササイズなどを一流の歌手は知っているものです。つまり、その知識と自分なりの調整力が、安定した実力を発揮できる鍵になると思います。(♭∀)

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