Q3466.声質に恵まれている人が注意することはありますか。
A.元々、よい声を持っている人は、それだけで、ある程度の賞賛を浴びるし、声を出すことに苦労を感じないものです。しかし、声のよい人は、自分の声に酔ってしまうという落とし穴もあります。自分の声を耳で追ってしまい、ついつい、歌い手であるにも拘わらず、リスナーモードになり、非常に表面的な表現に留まってしまいがちです。実は、良い素材を持った人間が、その素材を充分に発揮できる技術と精神力を持ち、一流の芸術家になるには、非常に難しいケースといえます。同時に、一流の素材はデリケートでもあります。
一流の素材は、一流の技術、一流のスピリッツの元で初めて発揮できるのだから。逆に、技術や精神が伴わないと、余計に変な声になってしまう。よい声の持ち主は、それはそれで難しいということを知っておきましょう。
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