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ヴォイトレレッスンの日々

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2011年9月 3日 (土)

Q3556.客に受けるステージとやりたい方向性が違うのですが。

A.ここに来る人には、CDだけを持ってきて、私がコメントすれば、それがレッスンという人もいます。プロがいらっしゃるので、そういう使われ方も実際によくあります。プロデューサーを連れていらっしゃることもあります。私の評価でよい、細かくシビアに指摘する人が周りにいないからという理由から来る人も少なくありません。私は、今はレッスンを引き受けた人には、可能性としていろんなことを示しています。一回きりの場合は、なかなか難しいこともあります。相互の理解にけっこうな時間が必要だからです。

 

 本来はお客さんで判断していったらよいものなのです。お客さんのところで成り立っていたら、よい作品になっていきます。お客さんがどんどんお客さんを呼んでくればいいのです。

 しかし、日本の場合は必ずしもそうはならない。お客さんがお客さんを呼ぶためには、呼びやすくしなければいけない。

 しかも、お客さんと成り立たせるために違う方向に力を入れてステージしなければいけない。

 私はライブハウスのプロデュースまでやるところにいました。「一般の人にオープンするときは求められるものが違う」と多々感じました。トレーニングで成り立っている基準は、そのまま外に出せないのはともかく、あまりに音声そのもので完成度を問われるものが乏しい。

 すると日本語でやった方がいいとか、みんなが知っている歌をやった方がいいとか、昔のヒット曲をやった方がいいなど、同じ方向にいってしまいます。新しい、オリジナルのその人しかできないものを見たがるお客さんが少ないのは確かです。でも、それ以上のものを創り出すのが、まさにアーティストの仕事でしょう。

 

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