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2011年10月16日 (日)

Q3620.顔の力をぬいたほうがよいのですか。

A.よいです。よくレッスンで「笑顔で、口角を上げて、頬を上げて」といわれることがあります。私個人の見解でいくと初期段階としてはこれすらもいらないと思っています。まずは無表情でただ単純に声を出していくことが重要だと考えています。

笑顔を作った結果響きが増したり、音色が明るくなったりすることはあると思いますがまずやるべきことは芯のある声作りです。響きをいきなり求めても、美しくはなりますがその場で取り繕っているだけで根本的な解決にはならない気がします。

これは指導する側の経験がものをいってくると思います。声楽の世界では「喋る」「台詞は」声に悪いという風潮があります。(特にテノール、ソプラノ)

しかし怒鳴り散らす必要は全くありませんが、よい発声のうえでの台詞ならばむしろできないことのほうがおかしいのです。オペレッタなどをやれば当然台詞はあります。

東京文化会館、新国立劇場、神奈川県民ホールなどは2000人を越えるホールです。そこで一番後ろのお客様にまで伝わる声とことばが無ければオペラ歌手とはいえないのです。

台詞を飛ばせない歌手が歌声だけを飛ばせるとは到底思えません。同じ声帯から声を出すのですから。

そのためにも初期段階では表情だけで声を持っていくのではなく単純に芯のある声を作っていくことに重点をもっていく方がよいと私は思います。(♭Σ)

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