Q3731.カヴァーリングは必ずしないといけないものですか。
A.カヴァーリングの技術は、ある程度の段階までは非常に有効な手段、という説があります。カヴァーするしないは別にして、テノールがF#でエッジの立たないアペルトで歌うと、何故ダメかということです。勿論、声帯への負担が大きいのと、どんなに頑張っても、子供っぽい声になるからです。特にドイツ語圏で学んだテノールは、このタイプが多いと思います。ドイツ語圏では、パッサージョでパッサーレしてもしなくても、どちらでも構わないらしく、そこへの拘りがないというか、パッサージョをパッサーレする価値が多くの人には理解されていないのではと思います。声を壊した最初の胸声歌手、デュプレが体現した近代のカヴァーリングで、デュプレは喉を潰しましたが、この技法の発展形により、80歳や90歳になっても衰えずにアクートするアンジェロ・ロフォレーゼなどの歌手が現れたとすると、文化的価値観だけでは済まされないと思います。(♭∀)
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