Q3733.声はきれいに出すのが常でしょうか。
A.器楽や声楽では、きれいな音に伴い必ず息の雑音を多少伴う方が、深い味わいの音にななるといわれます。特に息の流れがある歌唱では、歌っている本人には息の雑音がかなり聞こえ、肝心な美しい声は、自分から離れた所に飛んでしまっているので、頼りない感覚に陥るはずです。自分に綺麗に聞こえる声は、まず上べっつらな平べったい声か、硬い声になります。逆に、それを理解し、把握できれば、その人の歌唱人生を好転させるでしょう。そこから、美しいものと綺麗なものの違いや、人が感動する声や音は何かがわかってくると思います。マリア・カラスの声は、近くで聞くと汚い音が多いらしいですが、それを飛び越して聞こえてくる、ダイヤモンドのような声が印象的です。言い換えると、汚い音があるから、ダイヤモンドのような声が生まれてくるともいえます。声における表情とは、息の雑音によって生まれると言っても過言では無いと思います。この息の雑音を全否定して、綺麗な声だけ出そうとすると、それが、浅く、平べったく、中身の無い声を作り上げていると思います。(♭∀)
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