Q4064.自分の声を録音して聴いてみると、言葉によってうまく響いていないところがある気がします。理想的な発音の方法はあるのでしょうか?
A.歌う時の発音、特に子音の裁き方に関して、最近の方はマイクに意識を持っていかれるためか、やや口の前方へのでの発音になりがちなように思います。口の前方で言葉を裁こうとすると、自分としてはとてもたくさん口を動かしているのに、子音によって口腔の広がりが変化するため言葉がぶつぶつと切れてしまい、美しい流れにのれず舌根も上がりやすくなり、声帯の位置も上がってしまうため良い結果を得られません。
ではどこで発音していくのかですが、昔ながらの腹話術の人形は口の両脇に線がありますが、その外側で言葉を作る感覚です。線の内側(鼻と口の間、口の下、唇の周囲)で言葉を話そうと、力が入ってしまうと前述したように口の中の空間を一定に保ちづらいので、流れる歌声にはなりにくいのです。口の奥、両方の奥歯のうしろで喋る感覚で発音していきます。
練習方法としてはまず、思いっきり口の奥を(歯を食いしばらずに)食いしばるようにします。
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\←右上、右下、左上、左下全方向へ、奥歯のうしろが引っ張られる感覚。何度かこれを繰り返した後力を抜き、引っ張る感覚が少し残った状態で言葉を喋っていきます。最初は言葉をはっきり言うことよりも、引っ張りをキープできているかに注目して練習してください。割り箸などを実際に間で見るのも良い練習になります。割り箸をかんだその後ろで言葉を喋るのです。
※ただし、キープしようとするあまり、固定しないでください。引っ張られる、ストレッチにちかい感覚が基本です。何を発音しているのかこれでは分からないではないのか?と、思われるかもしれませんがこの練習をすることで、口腔内の空間が広がりやすくなり、声帯も下がり、その状態のままで言葉を歌にのせられるようになるため、口の前のほうで話していた時より、響きのあるメロディーになじんだ言葉でうたえるようになり、遠くまで言葉が届くようになるのです。(♯Ж)
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