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ヴォイトレレッスンの日々

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2015年2月27日 (金)

Q.猫背になるのはどうしてですか。☆

Q.猫背になるのはどうしてですか。☆

A.胸の脇にある筋肉が固く緊張している人が多く、私は肩と首の筋肉とともにほぐさせています。小胸筋といいますが、これが縮んでいると肩が前に引っ張られ、肩身が狭いという状態、つまり、猫背になるのです。呼吸にもよくありません。

 

Q.歌おうとすると、なぜか呼吸が浅くなります。☆

 

A.歌おうとするのは戦いに臨むようなもので、緊張を強いられます。交感神経優位になるのです。呼吸は、ぐっすり眠るときに深くなります。そのときは、副交感神経が活性化して筋肉がゆるんでいます。ですから、歌うときには、できるだけ眠るように穏やかにイメージしましょう。戦うのでなく、戦いの終わった後の祝福の祭のようにです。

 

Q.骨盤が前傾していると言われたのですが。☆

A.胸を張ったり、ハイヒールをはくと前傾します。お腹が出るのもそのせいです。声楽では、それを勧めるトレーナーもいます。それは後傾で猫背になるのを直すためです。水平になるようにしましょう。呼吸や大腰筋にも影響します。

 

 

 

Q.O脚、X脚は発声によくないのですか。☆

 

A.直接な影響はないとはいえ、姿勢の保持にとって決してよいとはいえません。整体などでチェックして直しましょう。踝骨(しょうこつ、かかと)と距骨(きょこつ、足先と脚部を結ぶ)、脛骨(すね)が一直線になるのがよいと言われています。

 

 

 

Q.土踏まずがないと正しく立てないのですか。☆

A.足の裏には三点の支えがあります。足の五本指、土踏まず(親指側)その反対(小指側)と三つのアーチです。それぞれが共に働いて支えています。ですから、動いてもうまくショックを吸収できるのです。

 

Q.本に骨盤底横隔膜が示してありましたが、何に使われているのですか。☆

A.これは、pelvic diaphragmといって、もう一つの横隔膜です。二つの横隔膜は腰筋で連動します。胸部の肋間筋なども連動しています。柔らかい状態にしなくては、全身で呼吸することはできません。腹式呼吸と言いつつも結局は全身呼吸のことなのです。

 

Q.高音発声は、輪状甲状筋を伸長させて出すそうですが、その使い方を教えてください。☆☆

 

A.そのように、筋肉を、個々に捉えて使うのは、原因と結果を取り違えた、極めてよくない考え方です。発声は筋肉の働きによるのですが、多数の筋肉の総合的な連動で動いています。それは、イメージによって正しい結果を起こした時に、感覚として覚えていくしかないのです。

 

これまで、多くのすぐれたトレーナーやアーティストが否定してきたにも関わらず、常にこういうことが求められます。それは、その音に届けば、それでよいとする安易なノウハウのようなものにすぎないのです。

 こうした感なえは、新しい方法として、科学的、理論的で、誰にでも早く大きな効果をもたらすという期待からくるのでしょう。それは、基本的な態度として違っています。それにしても、よく出てくる質問です。長期的な成果で判断しない人たちがよいと言っているのを鵜呑みにしないことです。何よりも、部分的に使おうという意識は、余計な力や緊張を招き、くせをつけてしまうのです。それで何音か高くあたっても、表現として実力のつかないのは変わらないのです。

 

Q.しゃがれ声が続きますが、原因は何でしょう。☆

A.1、歌いすぎ、しゃべりすぎ、大声、高い声、どなり声、鳴き声、シャウト、長く使いすぎ。

2、空気の乾燥のしすぎ、汚染、花粉症など。

3、寝不足、過労。

4、あがり、緊張。

5、病気

 などが考えられます。

 

Q.ヴォイトレの筋トレ不要論はどう考えられますか。☆

 

A.相手の状況によって答えも違ってきます。アスリートに対して、私はそれ以上の筋トレは求めません。あまりに固くしたり、副作用が出るときは、中断させます。現場では、歌手も役者も、いろんな姿勢でも声を使うことも考えられます。体が支えられなければ問題外です。

 今の日本人は、昔より体の力が弱くなってきているので、鍛えていくことは大切だと思います。発声に力が入るのを筋トレのせいにしたりするのは、鍛えられていない人をたくさんみてきた人が言っていることです。あるいは、筋肉で発声するのではないと言いたいためだと思います。本当は、そんな問題ではないのです。

 

Q.少し疲れたときの方が出しやすいのですが。☆

 

A.その通りで、表現力がのる、伝わる、説得できるように声が使いやすくなっているときは、すでに少し疲れているものです。

 声は、ベストの状況の方がコントロールしにくいと思います。それで、皆がんばりすぎたり、やりすぎてしまうのです。普段から発声教本などによるレッスンで、声の感受性の精度を上げていくようにしましょう。(♯)

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