Q.声の出し方がよくわかりません。☆
Q.声の出し方がよくわかりません。☆
A.声は出てしまうものです。その出し方や出方に問題があるのと、その出た声で歌やせりふにするときに、問題があるのとは別です。普通は両方とも問題がありますから、一緒にしてしまいます。いくら歌を歌っても、声がよくならないのは、2番目の問題しか捉えていないからです。出し方とは、声にどうするのか。出方は、声として保ち、どう終えるのかということです。
Q.息は、声に先行するのですか。☆
A.これも現場のシチュエーションなしには何の目的で注意されたのかがわかりません。言うまでもなく、息と声は、同時に出ているのです。息が先だとかすれ、息が後だと硬くなると言う人もいます。そう考えて、ちょうどよいタイミングで出しましょう。というのも、いいのかもしれません。
Q.呼吸をどう発声にするのですか。☆
A.私がこのようなときの例で使うのは、「息を用意してから、ためて声にしなさい」「円を描くように息が回っていて、途中からスムースに声にするように」とかです。バーンと声に息をぶつけるような入り方の人が多いからです。それでは、共鳴やビブラートの感覚が育ちません。
Q.くせがとれません。どうすればとれますか。☆
A.どんなくせでも、すぐにとれないからくせというのです。私は、多くの場合(時間のあるときですが)くせは放っておき、それよりもよいものを育てようとしていきます。くせも魅力になれば個性です。構えるくせ、がんばるくせ、頑なに守ろうとするくせなどは、しぜんとおちていくように待ちます。それで何ともならないときには、いろんな対策をたてます。
Q.自分の思い込みをとれば、正しい発声になりますか。☆
A.思い込みも発声のくせも、邪魔ものなのですが、邪魔をとれば正しいものが出てくる、残るとは限りません。そういうなら、なぜ、今までそうならなかったのでしょうか。より正しいものをつかむ、あるいは育ててください。
Q.感覚的な判断は、気分などで当てにできないのでは。☆
A.私は、人の感覚はあてにならないが、くり返すことで磨かれ、高まると思っています。それは一流のアーティストの作品などをくり返し聞いて内に入れ、声なら声の使い方から専念して外に出していくことによって可能です。新しく得られた感覚や声が教えてくれることが大切です。
Q.私は、自分の感覚の判断に自信がないのですが。☆
A.竹刀やバットを10回振ってみてください。入り、抜き、どれが一番よかったか、大体わかるはずです。かなり雑でうまくいかず、バラけるからです。かなり合ってもいるでしょう。毎日千回、一年振ると誰もが体が鍛えられて感覚も磨かるでしょう。どの振りがよいのかわかってくるでしょう。そのレベルは人それぞれです。それを3年、5年、10年、30年と続けると、やはり天才と凡才に分かれてくるのではないでしょうか。私のヴォイトレは、常に一流、天才を念頭に置きつつ、凡才のためのものと思っています。自信をもって体感で判断してください。
Q.ストレスに弱いです。どうすればよいですか。☆☆
A.ストレス反応は正常のこと。例えば、心臓のどきどきは準備をしているのです。呼吸は、早く酸素を送ろうとしているわけです。心拍上がり血圧上がっても血管収縮しないそうです。心拍が上がるのは、喜びと同じ状態です。ストレスは捉え方しだいということです。
体が活性化していることは大切です。人を社交的にするオキシトシンが出ます。ハグでの愛情ホルモン、神経ホルモン、きずなを深める、スキンシップ、これはストレスホルモン。
下垂体から出る。助けを求めたり、人に打ち明けることで、心血管系を守る。心臓によいし、細胞再生を促します。
人とふれること、人を助けることや面倒みること、人を思いやる人は、ストレスで悪い因子が増えません。体質が変わるのです。
ストレスの価値を知り、思いやる心を知ることです。つまり、現象を観察すること、ものごとの仕組みとしてみることが大切です。
これは、TEDでケリー・マクゴンガルさんが述べたことです。
Q.ストレスに悩むと声によくないのですか。☆
A.ストレスは、抑制因子で、それを受けた結果、ストレイン(歪み)を残すのです。ストレスは、人間の生理、心理、精神に対しての圧力です。内因性と外因性がありますが、相互に関係していることも多いのです。生理的には、環境の与えるプレッシャー、心理的に嫌悪感や緊張要因、精神的には、生老病死や孤独感などです。そして、生理的不調、心の不調、精神の不調が生じるのです。もちろん声にもよくありません。
Q.交感神経と副交感神経と、どちらが歌によいのですか。☆☆
A.これは、呼吸の胸式、腹式と同じく、よく混同されていますが、どちらかに切り替えるのではありません。どちらが大きく働いているかということです。片方が停止はしないのです。神経については次の図で覚えてください。
a中枢神経―脳、脊髄
b末梢神経―体制神経―運動神経―求心性
感覚神経―遠心性神経
自律神経―交感神経―昼、戦い、発進
副交感神経―夜、休息、ブレーキ
ちなみに、骨格筋は、意志で動かせるので体制神経の支配、一方、平滑筋、心筋などは、自律神経の支配下です。(♯)