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ヴォイトレレッスンの日々

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2015年2月 4日 (水)

Q.声の競技などは考えないのですか。

Q.声の競技などは考えないのですか。

A.私ほど、声の発表の場を、多くの人の研鑽と声の研究のためにいろいろと試みた経験をもつものは少ないでしょう。それを経て、今のレッスンの形にしています。それを集約したものと思っています。声や歌がいくらよくても、果たして現実にどう活かされているかということを私は結果としてみます。どんなに強い人でも、食糧を手に入れ食べないと死んでしまいます。そういう面で、競技といった声の発表の場より、現実世界での仕事で使える方が大切とみているのです。

Q.ヴォイトレは、あまりことばを使って説明しない方がよいのではないですか。

 

A.私も本心ではそう思います。ことばは常に両刃の剣、必要悪です。しかし、うまく使うとキーワード、インディックスとなり、レッスンの効果が上がります。その一言で通じたり、わかったり、変じたりすることが起きるのです。害にも魔法にもなります。(rf

 

Q.縦の感覚とは何ですか。

 

A.360度の方向があるなかで、体軸の方向、天地のことです。(rf

 

 

Q.「呼びかけ声」のトレーニングでうまくいきません。

 

A.呼びかけるというのは、呼ぶだけでなく、私があなたを呼んで、あなたが振り向き私を認め、私もあなたを認める。乱暴に言うなら、誰かをつかまえ、振り向かせ、ぐっと腕で抱きしめ、相手が抱きしめ返す。これを腕でなく、声で行うことです。そこまでの強い気持ちで相手に踏み込むことです。私が「表現とは、人に働きかけなくては表現でない」と言っていることです。

 

 

Q.本当の声が出たとき、同時に涙があふれました。なぜでしょう。☆

 

A.本当の自分に向かい合えると、それまでそうでなかったことで苦しんでいた人ほど解放されます。そして、一種のトランス、カタルシスのようなことが起きることがあります。これをヒーリングやセラピーのような形で行っている人もいます。

 

私のレッスンのグループでもしばしば起きました。しかし、実の本人が、その後の歌や芝居などで大して活躍できていないことと、呼吸や声をこちらがコントロールする=支配しかねないことの愚を悟って、そういう方向をとらないようにしました。本人を心地よく解放させるのではなく、醒めた眼で自覚させることがトレーニングの目的だからです。

 

 

Q.ヴォイトレの結果をどうみていますか。

 

A.私は一言でいうと、「体が楽器になり、背中や後から声が聞こえてくる」というような基準でみています。しかし、このくらいの基準でみてさえ、日本のポピュラー歌手や声楽家、ヴォイストレーナーまで、9割は基準を満たしていないことになるのです。

 

 

 

Q.「体を開く」とか「喉を開く」とか「背中を開く」とか、開くというのがよくわかりません。

 

A.閉じるというのは、固定して固めて不自由で動かないイメージがあります。そこからの解放と思ってください。

 

 

Q.ことばの伝わらないジレンマはどうなさっていますか。

 

A.もともとことばは、大して伝わらないものと思っています。半分あきらめ、半分期待しています。伝わるときがくるからです。相手が少しずつ成長し、声が身につく余地が出てくると、ストーンとわかりあえることがあるのです。ことば使いにも、時期、タイミングが大切です。ことばは、畑の地ならしのようなものと思います。

 

Q.自分の内面に、どういう基準があれば正しい声がわかりますか。

 

A.私は、わかることには価値をおいていません。このQ&Aをすべてわかって正しく答えられた人がいても、何の役にも立たないからです。この場合、正しいは、ここに述べた通りとなるのでしょう。それは、あなたに合うとは限りません。

 

少なくとも私のヴォイトレで扱う声は、他人のいるところで使う声です。他人の認める声の力です。二者以上の関係性の中での声です。現場の感覚での基準です。もし、内面に向かって意味があるとしたら、周りのものにも敏感になる可能性があることくらいです。(♯)

 

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