Q.ブレスヴォイストレーニングの独自性は何でしょう。
A.どんなトレーニングも比べていくと共通するところと、相違するところとがあると思います。私は、他のやり方で発声を習得した、多くのトレーナーと一緒にやっていますので、他のトレーニング法については、ほぼ理解しているつもりです。多くのトレーナーは、習った方法か本人の方法に固執して、あまり他の方法を試してもいないようです。
日本人に通用しやすいというのを日本の中でみるのか、世界のレベルからみるのかでも全く違ってきます。この辺りは、これまでも触れてきました。
本当は、長くみなくては、効果は実証できません。しかもアーティスト、芸事の分野は誰もが確実に人並みになるというようなことではないだけに、共通のものを求めること自体に無理があります。初等教育用のヴォイトレとプロ用のとは、当然、違ってくるのですから、さらにややこしくなるわけです。それは、特別な方法ややり方ということではありません。メニュでなく、どこまで厳しい基準でみるのかということになります。そこに着目したのが独自性かもしれません。メニュの難易度が変わっていくようなもののほとんどは、声そのものでなく、発音、せりふ、歌唱、音楽、表現などのトレーニングです。私の考える究極のヴォイトレは「ハイ」一つで一冊、10年の基準をみていくものです。(♯)