Q.どういう曲を練習に使えばよいでしょうか。
A.あえて異なるジャンルの歌で練習する。
練習のお手本にすべき歌としては、あまりテクニックや音響効果が入っていない、ストレートに声だけで歌っているものの方がよいでしょう。「声のデッサン」が見えやすいからです。その意味では、生の声として分かりやすく、音響加工の少ない1950~70年辺りの作品がお勧めです。
さらに、意図的に自分とは違うジャンルや違うスタイルのボーカリストの作品を聴いてみましょう。歌詞や曲が古いとか合わないとかを抜きにして、声と歌のフレーズのみで評価してみてください。一流のオペラも、声の可能性として大変参考になります。カンツォーネ、ナポリターナ、シャンソン、ラテンなども、発声・リズム・表現を含めた材料としてはお勧めです。
大切なのは、歌の中で音楽として成立する共通の要素を学ぶことと、それをあなたの体の原理に基づいた中心の声で展開させる、声のデッサンを考えることです。(♭)