Q.「丹田で支える」とは、どういうことですか。
A.武道の経験が少しでもある方は、あるいは経験はなくとも興味があって、本などで調べたことがある方は、この言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。丹田とは、本来さまざまな説があるようですが、一般的には、おへその少し下のお腹の内部(表面の腹筋とカン違いされている生徒さんもいるようですが)を指します。お腹の内部なので、筋肉(骨格筋)はありませんが、そこに力を入れると、武道などの動作がとてもやりやすくなります。筋肉が無いのに、なぜ力が入れられるのかという疑問は、当然沸いてくるでしょう。たぶん、お腹を取り囲んでいる横隔膜(筋肉)と複数の腹筋と、骨盤底筋などのバランスで、力を感じるのだろうと思います。いろいろな動作がしやすくなるので、当然、声も出しやすくなります。「腹から声を出せ」と、日本でよく言われるのは、そんなところが原因かと想像できます。そして、この丹田を、発声の支えとして活用することは、健康のためにプラスになるということを差し引いても、推奨されてもよいと考えますが、唯一無二のものだとは、考えない方がよいでしょう。なぜなら、西洋発祥のオペラで、長年西洋で培われてきたオペラの発声は、東洋の丹田とは無関係の確率は高く、他の場所で声を支える方法は、少なくとも数種類は伝承されているからです。(♭Ξ)
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