Q.声を支えるとは、どういうことでしょうか。
A.薪割りなどは、現代の日本では、ほとんどの人が経験がないかもしれませんが、キャンプや、夏などの里帰りで、田舎の生活をときどきされたことがあれば、一度くらいは、体験されているかもしれません。力まかせに割っても、うまく割れなかったり、割れた薪が勢いよく飛んだりして、危ない思いをしたりしますが、よく「腰を入れて」などと注意されたりします。ある程度の力を使う作業では、それなりのコツがあるものですが、それらは多くの場合、実際に作業する部分(薪割りなら、薪を割る手元)ではなく、そこからは少し離れた場所(「腰を入れて」の腰)であることがほとんどのようです。そのほうが、からだ全体を、うまく効率よく、その作業のためにコントロールすることができるからだろうと想像できます。例えば身近なところでは、かなり重い荷物を、ほんの1~2メートルの距離、持ち上げて動かすときに、腕だけに力を入れるよりは、お腹にもしっかり力を入れた方が、腰などを傷めにくくなるのは、多くの方が実感できるだろうと思います。これと同じように、声を楽にうまくコントロールしやすく出すためには、喉から離れた場所に、少し力を入れた方がよいということです。
(♭Ξ)
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