Q.「二つに分かれてしまう日本人の声」とは、どういうことですか。
A.海外との差がわかりやすいミュージカル俳優を見てみましょう。本来は、個人別にみていくべきものですが、大まかな分け方をしてみますと、日本の場合、どうも声楽出身者と役者出身者にくっきりと分けられてしまうということです。
前者は、声が伸びやかでつやがあります。声楽特有の歌声、音色があり、それは高音域で明らかに目立ちます。つくった声、磨かれた声であり、そこには確かに一つの基準と技術があります。一方、Yタイプは、パワーとインパクトがあります。クラシック型に対して、ロック型といえます。それぞれにあまり似ておらず、個性なのか、くせなのか、ともかく存在感があります。中には、低音や太い声のあるタイプもいます。苦手なのは、高音処理です。シャウトでこなす人もいます。合うのはロックオペラ。それでも日本人の場合、細くかん高い声になる人が多いです。 前者は、「エビータ」での、ミュージカル版「劇団四季」、後者は、映画版「エビータ」のマドンナとバンディラスの版と考えてみてください。それぞれ、同じ歌を比べてみるとわかりやすいでしょう。
どうしてこのようにはっきりと二つに分かれるのでしょうか。海外のように、どちらのタイプのよさをも兼ねそろえたような人は、日本にはいないのでしょうか。この分類を、もう少し他の分野に応用してみますと、
(前者のタイプ)アナウンサー、ナレーター、声優、コーラス、合唱団、民謡、童謡歌手……似た声、ことばの意味伝達が主
(後者のタイプ)キャスター、パーソナリティ、落語家、レポーター、ゴスペル、ロック……違う声、感情の表現が主(♭)
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