Q.声を前にだすとは、どういうことですか。
A.ヴォイストレーニングでよく言われる「声を前にだす」ということは正しくもあり、ミスを起こしやすいです。これは結果的に前に出る声になるようトレーニングする必要があるからです。声が奥まっている人に「声を前にだせ」というアドヴァイスはとてもシンプルで言う方は楽です。しかし、何故奥まっているのかを考えなければいけません。全てではないですが、よくあるのは
1.舌根が硬い
2.舌根が奥まっている
3.顎が硬い
4.顎が前に出てくる
5.奥まったをよい声と思っている
などがあります。たとえば
5の状態の方には「声を前にだせ」というアドヴァイスは効果的かと思います。
4の状態の方には、ブレスと支えの問題のアドヴァイスが必要。
3の状態の方にはブレスと発声時の支えと顎は不安定でいいんだということを憶えてもらうことが必要。
2の状態の方にはブレスで舌根をさげることと、発声時の舌根の状態を認識してもらうことが必要。
1の状態の方には発声時に「本人は正しくやろう」として固くなっていることが多いので、裏返っても、声が出づらくてもいいからやわらかく脱力させていく必要。指導する側も生徒側もがまんの時間が必要です。
生徒の状態を認識せずに簡単にアドヴァイスしてしまうと、言われた側はかえって混乱を生じて苦しい方向へいってしまいます。
なぜ声を前にだす必要があるのか、なぜその生徒が前にでていかないのかを一緒に考えていける指導者でありたいと思っています。(♭Σ)
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