Q.日本人の声は弱くありませんか。☆
A.聴き手としての耳の変化、声の強い表現力を拒むようになってきていることの方が気になります。私の企業研修のテーマが以前は、「大きくはっきり伝える」だったのに、最近は、「感じがよく、大きく出さずに伝わる」ような通る声を求められるようになってきました。上司の大きな声だけでパワーハラスメントに近いと、若い人が思うようなことが現実化してきています。
日常の声レベルでの差を抜きにして、本来はオペラもポップスも邦楽も噺家も成立しないのです。歌についての現況は、音楽とレコーディング技術の進歩と、聴き手の耳の変化が支えているといえます。日常で、1時間も声を使えない人が、本番に1時間、声を使えるわけがないという常識的な前提を掲げておきます。(♭)