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ヴォイトレレッスンの日々

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2017年5月29日 (月)

Q.ヴォイストレーナーの死角とは。

A.トレーニングというのは、もともとふしぜんに無理なことを行うことです。同じ日本人でも20年生きて、歌い手や役者に耐えうる声を育ちの中で得てきている人と、全く使わずにきて、トレーニングが必要な人がいるのです。なかには、声を出すのに、大きく出す、長く出すまでに、のどそのものを鍛えなくてはならない人までいます。

ここが音声ですぐれた国のトレーナーや歌手、日本でも小さい頃から声を使ってきて、すでに声の鍛錬が日常での育ちに入っている人にはわからないところなのです。

これもトレーニングで鍛えて壊したり、悪化させた後に、頭声での共鳴をつかんだ人には、それまでの過去(のどや胸声のトレーニング)を全否定してしまいがちな人が多い理由なのです。こういう人は、結果として、無駄と思えるプロセスに長い時間をかけて、私の理屈通りに実践していながら、それを否定して、他人に教えるときは頭声の発声だけにしたり、呼吸法トレやヴォイトレはさせず、しぜんに調整だけにしていく方針をとりがちです。日本の業界には、特に多いです。海外の方法などを学ぶと、さらにその傾向を強めます。結果、その人ほどにも声の出る人を一人も育てられない結果になっていることが多いです。

ジラーレ、アクートなどの声区での変化、融合、ミックスヴォイスについて、またファルセット、裏声、地声、頭声、胸声、ビブラートなど、個々に取り上げる必要のない問題についても、その理由についても、私の述べたプロセスから充分に説明できると思います。(♭)

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