Q.お坊さんの声について、どう思いますか。☆
A.私は日本で唯一、声づくりがしぜんにうまくいっているともいえるお坊さんを見る度に、高い声や発音や音階、リズム、歌詞、共鳴などに関わる前に、自分のもっとも出せる音の高さ、発音、共鳴で自分の呼吸に合わせて声を出して、しぜんに使えるだけの声にする期間が必要だと思っています。私の日常レベルでの声は、10年20年かかり、外国人に認められるようになりました。京都や九州のお坊さんに認められたのも、嬉しかったです。
そういうシンプルな基準、ヴォイトレをしっかりしていくと、誰にでもわかるくらいに声が変わるというヴォイトレが、日本ではまだまだ行なわれていません。欧米では、先述したように、あまりその必要性はありません。今、私が述べてきたようなことが全く考えられていないことに、まだまだこれから、多くのやるべきことがあると思っています。ここしばらくは、能や邦楽、読経・声明の人などと、日本人の声を追求していこうと思って動いています。(♭)