Q.科学的トレーニングとマエストロのレッスンについて、どう考えられていますか。
A.声については、私の研究所でさえ、声紋分析の器材を使っている今、ここ20年の音声科学の発展はほとんど天文学や物理学、医学でいうと、天体望遠鏡や顕微鏡が出てきて、現実に目で確認できるようになったくらいの革新的なものといえるでしょう。
書籍でも、生理学から、音声学、音響学まで、詳しくわかりやすく、よいものが出てきて誰でも学べるようになりました。一方で、自分の若い頃、つまり、半世紀前ほどの勉強のままに指導法を継承しているマエストロ的なトレーナーもいるわけです。
私の立場は、新しい発見や学説は絶えず学び続けますが、それが実際の結果や効果をもたらすまでは、試しに直観的に使うことはあっても、メインにすることはありません。一時的な成果でみるのでなく、長期的に複数の事例の結果でみるには、何年も要するのですから、あまりジタバタすることではありません。ですから、若いトレーナーや指導をはじめて4、5年くらいの人の結果をそのまま信じたりもしません。つまり、新しく出た理論やマエストロらの言っていることと、今、受けているレッスンや自分のトレーニングしてきた本やトレーナーの言うことが違っていても、迷うことはないと思っています。(♭)
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