Q.「何も考えるな」といわれました。
A.私はしばしば「何も考えるな」ということがあります。しかしこの言葉はある程度の期間、ある程度以上のレッスン回数をこなした人にしか言えないと思っています。初期段階では言えません。
ある程度の年月や回数をこなしてきた人の中には発声の知識が増えすぎたり、情報が多くなりすぎて
「~しなければいけない」
「~でなくてはいけない」
という心理状態になる人が多いです。特に多くの指導者についている人に起こりやすいように感じます。
声の場合
・自分が声をだしていて、歌っていて気持ちいい
・聞いている人にとって心地よい、もっと聞きたい
は案外、感覚として解離していることが多いです。
まず聞こえてくる声と、人が自分で感じていることとの相違点をお互いが知ることが重要だと考えています。情報の多さは大事ですが時として、音楽を邪魔することが多いです。
知識が邪魔して音を感じることが薄くなると感じると「何も考えるな」と言うのだと思います。
このダメ出しをする人の多くは、テンポに乗り遅れたり、速くなったり、遅くなったりと、音楽やテンポ、リズム感を感じることが少ないように思います。
音楽を感じられない歌に発声のみを磨いても、実は発声もうまくいくことはありません。そう感じる歌を聴くと一度、発声から離れて音やリズムや言葉、テンポにかえることをお勧めしています。このダメ出しは真面目にレッスンを受けているからこそ出てくるダメ出しでもあります。
音楽を感じることをもう少しやってみるだけで変わると思います。(♭Σ)
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