Q.あがり症の克服法には、どういうものがありますか。
A.人前に立って、しかも自信のないものをやろうとすると、誰でもあがる。この二つが揃っているのが、スピーチや人前での話なのだから、あがらない方がおかしい。世界的に名高いオペラ歌手や演奏家の中にも、毎回舞台であがるという人はたくさんいる。彼らが、あがりながらも実力を発揮できるのは、ケタ違いの練習量のおかげと、「そのことで生きている、仕事をしている」という覚悟があるからだ。その自信が、少々あがっても、それをほどよい緊張としてプラスに変えてしまう。
スピーチもコンサートも、この緊迫感がなければ、聞き手も大して興奮できず、終わった後に本人も今一つすっきりしない。あがって力が出せなくなるのは、あがったせいではなく、あがることを恐れ、あがったら何もできなくなると思い込んでいるからだ。間違えたり恥をかいたりすることを恐れる気持ち、また、よいところを見せようと気負う気持ちが、誠実に伝えようとする気持ちを邪魔するからです。(Э)