Q.吠えるっていうことは、ありますか。
A.私が学生だったころは、頻繁に、「吠えるな」と言われました。私も、初歩のころは、一度くらいは言われたこともあるかもしれませんが、憶えてはいません。高校で合唱部だったころから、普通大学の合唱サークルやアマチュアの社会人合唱団に所属していたころも、周りでその言葉が使われていました。芸大の受験生になったときは、「吠える」ことは、初歩の素人がするものだと、悪癖だと認識していました。最近まで、そのことは、記憶の片隅に沈んでいました。
ところで、「吠える」ということはどのようなことか、想像できるでしょうか。口を開け、喉を開け、呼吸の力もうまく使って、大きな声を出す、犬の遠吠えや、オオカミの遠吠えのようなイメージです。つまり、口腔共鳴だけを使って声を出すと、「吠えるな」と、冷たい目で見られたのです。
以前の日本人は、割と簡単に口腔共鳴ができたのかもしれません。もちろん、口腔共鳴だけで止まってしまっては、ただ「吠えている」だけになってしまうので、胸部共鳴はもちろん、鼻腔共鳴や頭部共鳴もミックスして、豊かな共鳴にしていきましょう。(♭Ξ)