Q.胸をはって歌うのは、歌の時にはいい姿勢なのでしょうか。
A.子供のころから、私たちは「いい姿勢をしなさい!」と言われると胸張り出し、まるで背骨まで反るかのような姿勢を作って背筋をピンとしていたことを思いだします。歌の時も、ついつい猫背で歌うのは良くないと思い、この「いい姿勢」をしている人が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
歌うときによい姿勢というのはどういうものでしょうか。もしこの胸を張る姿勢(人によっては背骨をそらせ、反り腰の様になってしまう人もいるかもしれません)を歌の時に続けていたらどのようなことが起こりうるのでしょうか。
まず、胸を張り、腹筋が上の方向に引っ張られるので、横隔膜の自由が利かなくなり、腹式呼吸ができにくくなります。結果として胸式呼吸になりかねません。
次に、この姿勢をした場合に骨盤が前傾し反り腰を作ってしまった場合、上半身と下半身が分断されてしまい、身体を一体として使う感覚が得られないかもしれません。
まずは、身体を少し前かがみにして上半身と下半身がコンタクトが取れて、腹式呼吸が自然にできる位置を探し
その感覚から少しずつ背を伸ばしていって、ご自身の歌いやすい、いい姿勢を見つけていかれることをお勧めします。(♯β)